カオルの不定期日記



イビキ詩人 2010年10月15日(金)

  2010 10/14(木) 1:10am
雲の切れ間から半月。


カーステレオの音楽と
ワイパーのリズムがシンクロするとちょいと嬉しい。
(伏線)

ごほん。

「電撃破局!カオル17回目の玉砕!原因はイビキ!?」

レインハウスで困っていることは
隣のじいさんのイビキが夜うるさいだ。
また日中の爆音演歌にも閉口する。
オレはイビキがすごーく苦手で
「オンナのイビキ」が原因で電撃破局を決行したこともある。

「レインハウスの詩人が困っています!
 隣人のいびきをピタリと止めた方には
 ビッグな懸賞金を20億ポンド!
 またワケアリの黒猫も歓迎中!」

しかし。
この辺は「行って来い」というかバーターというかお互いサマである。
隣人はイビキと演歌攻撃をしているが
こちらはにゃまっまままとロック爆音である。
長屋だから仕方ないと。

隣人のイビキと
100円ショップで買った時計の針の音がシンクロしてもなあ。
概算すると隣人のイビキのテンポは63ぐらいだ。

嗚呼。
オレが圧倒的独裁者であったら!!
射殺とか処刑とかって言うと想ったか?
きゅーでんに住むに決まってんだろうが。
宮殿。
オレは風呂の蛇口のライオンを
強そうな黒猫にするね。
瞳はエメラルドだ。

ブイーン。

レインは黒猫だけれどわりと野次馬である。
さっきまでオレはフトンにいた。
イビキが気になるので起きて時計の電池を抜いた。
ったくオレの耳ってばよー。とほざきながらこれを書いていると
レインもアクビしながらもヒゲをぴんとはって
「にゃふああまあ〜 じけん〜?」とノロノロやってくる。

毎日毎晩ベランダで見張りをしているので
レインは「違った物音」に敏感である。
ベランダの側は駐車場で基本的に車しかない。
だからバイクが入ってくるとレインはうなる。
いつもと違う子供の鳴き声がするとキョロキョロする。
レインの好きな音は
「かつおだいすきの袋の音」だ。
数種類の袋を用意してがしゃがしゃ鳴らした。
レインは聞き分けた。
なかなか番犬として優秀だ。

レインが鳴いてねだる時は基本的に3パターンだ。
1ごはんくれ 2窓あけろ 3ブラシをやれ
3はさらにふたつにわかれる。
3−A甘えさせろ 3−B耳掃除しろ
他にも「謎のダッシュ 謎のコトバ」がある。

最近ひとつ解明したのは「もう寝よう」だ。
これは驚いた。
レインがナキワメク。
上記のどれをやっても落ち着かない。
オモチャでも遊ばない。
オレは電車内のiPodにイラツク仮面のようになる。
「レイン。わかんねー。うるせーよ。具体的に言え。
 ジェスチャーでもいいがもうめんどーだから寝るぞ」
電気を消してフトンに入る。
するとレインがダッシュで枕元でゴロゴロと。
何度やってもおなじ結果だ。
枕元で朝まで寝ている時もあるけれど
オレの座椅子やライブカバンで寝ることも多い。
とにかくいちど暗くしてフトンにオレが入るとピタリと鳴き止む。

今夜もそうだった。
24時近辺に「君が代詩人」を書いていた。
しかしレインがにゃままっまままで集中できない。
見張りでもオヤツでもない。
仕方がないからフトンに入ると枕元ゴロゴロ。
とたんに静かになる。

いまはオレの脱ぎすてたバラッドキングTシャツで寝ている。
「事件性はない」と判断したのだろう。

そんな風にしながらオレとレインの結束は強くなっていく。
チリの地下で希望を棄てなかった作業員のように。

アタラシイ「わざ」もできたのだが
破廉恥すぎて実写はできない。
「レイン。ちゅちゅっ」というと
レインはオレのクチビルをペロンと舐める。
レインハウスに来訪したヒトは目撃している可能性が高い。

レインと暮らす人生は
レインと暮らさない人生よりも
ずっと素敵だ。


終わろう。
 


- Web Diary ResVersion ver 1.09 -