カオルの不定期日記



ハリー詩人 2010年02月28日(日)

  2010 2月末日(sun) 18:00pm
夕方から晴れた。


今年になってからチビチビと小説を書いている。
内容などすべては内緒だ。
どれぐらいの長さになるかわからないし
いつどんなカタチで発表するのかもわからない。
ずっと封印してきた「、」を小説では使うかもしれない。

書いている時間は楽しい。
ただ「書く気分/状態」になることがまだ意図的に出来ない。
文章の世界に埋没して
登場人物たちに好き勝手に喋らせたり。
夢中になれる。

「読んでくれるヒトたち」のことはまったく考えていない。
ページ数なども考えず横書きでやっている。
今日は昼過ぎからずっと書いていた。

腹が減ったので
金沢の弟子が送ってくた肉類などをむさぼり食った。

弟子は元ストリートスライダーズのハリーのCDも送ってくれた。
この「狼煙(のろし)」という2枚組のアルバムは
とてもエキサイティングでオレは感銘を受け何度も聴いている。

昔からハリーの詩は好きだったが。
このアルバムから「日本語のロックンロール」の
「最高峰/斬新/未来」を感じた。

オレはもう20年ぐらい前から想っていた。
「音楽のハードや音などはデジタルの台頭により
 進化というかドラスティックな変化を遂げている。
 しかし。歌詞はどうなんだ?
 まったく進歩していないじゃないか。
 相変わらず手垢にまみれたコトバや言い回し。
 くだらないラブソング。応援歌。リアリティのないメーッセージ。
 現状ではまだコンピュータでは歌詞は書けないけどそのうち」

本当にほとんどの歌詞は昭和から止まっている。
テーマも単語も語り口調も。

ハリーの狼煙はその意味おいてまさしく革命的だ。
ロックンロールの重要なファクターの「ひとつ」として
「反抗/攻撃/全否定」というのがある。
このアルバムの「サウンド」は逆行というかかなりスタンダードだ。
初期のローリングストーンズのようにストレートで無骨でキレのいいビート。

だが歌詞はものすごく斬新だ。
まず「カタカナ」や「英語」が非常に少ない。
ロックンロールバンドはカタカナや横文字が多い。
パーティー/ハイウェイ/シャンパン/ジャンプ/tonight/シャウト
ブーツ/エンジェル/革ジャン/ウォッカ/キャデラック/シャンデリア

「狼煙」では「そういう類いの単語」は多分「意図的に避けられている」な。
差別用語/放送禁止用語/江戸の古典落語/四文字熟語/昭和初期の言い回し。
暴力的で攻撃的で艶やかでスリリングな単語の選択と組み合わせ。
これを「文字」で読んだら嫌悪感のヒトも多いと想うが
「歌詞」だからやはり「耳で聴く」じゃないとダメだ。

「ハリーという詩人」がつくった歌詞。
こういう単語たちは乱雑で破廉恥になりがちだが
ハリーの「知性/インテリジェンス」がそれを「作品」にしている。
そして「ハリーというシンガー」が唄うと破壊力が増す。

オレは「曲名」だけでときめいた。
狼煙/万引き小僧/無頼白痴/三白眼の油売り
天邪鬼/15%の生き地獄/足折れ案山子/おけら人間もどき etc…

ハリーは狼煙でも唄っているが
「もう徒党を組むのをやめよう。古い時代にしがみつくな。バカばっかだ」
「オレはオレで勝手に群れなんてやだから単独行動するからよ」という「姿勢」。
このアルバムは「徹底」している。
ラブソングもバラードもない。
ゴリゴリのロックンロールでかたっぱしからぶち壊していく。
自分を取り巻く「音楽業界」や「過去の栄光」さえもぶった切る。
そうとう「覚悟」がいる。
かっちょいい。

毛並みのいいおおきな黒馬にまたがったハリー。
派手なペイズリーのスカーフを巻いて
狼煙のけむりの中から猛スピードで駆け抜けてくる。
戦国の猛者のようにエレキギターを槍のように掲げて
有象無象を切り捨てながら目指す腐れ大将のクビ。

そんな「画面」が浮かんでくる。

ぜひ若いバンドマンたちには聴いてもらいたい。
ロックンロールをやっているのならぜひ。
なにも感じなかったらキミタチは「別の社会」へ行った方がいい。
電気のムダだ。

「カオルの歌詞」についてもこのアルバムからいろいろヒントをもらった。
たとえば「月並み〜moon wave」でどうしてもしっくりこない「1行」がある。
そこだけライブのたびに変えるのだけれど「ゴールじゃない」カンジがする。
そうか。
もう「途方に暮れている場合じゃないんだ」と。
途方に暮れるというコトバも手垢まみれだし
だいたいリアルじゃないんだな。
オレは「しっくりこない理由」がわかった。

とにかく血が沸騰したよ。
こういう「大先輩」の存在も嬉しい。
オレは音楽雑誌を始め「雑誌やニュース」を知らないから
この「狼煙」がどんな風な影響を与えたのかはわからない。
臆病な世間は「すっと流した」のかもしれない。
でもオレの胸はざわざわした。
「ヤベーな。オレもなんかやんねーと」

詳しいヒトがいたら教えて欲しい。
ハリーさんはタバコを吸うのか?
吸うとしたら銘柄は?

よっしゃ。
小説の続きだ。
あ。
レインのトイレ掃除だ。

あちょー。
 


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