カオルの不定期日記



脱皮など詩人 2010年02月02日(火)

  2010 2/1 (mon) 21:20pm
雪だ。


1月16日の下北沢。
敬愛している金子マリさんがステージでこんなことを言ってくた。
「カオル君も今日からオトコになったね。
 立派な詩人だ」と。
オレは単純に嬉しかった。
それがカオルファンに対するリップサービスだとしても嬉しかった。

日が経つにつれて嬉しさより「事の重大さ」に気がついた。
相撲でいえば幕内昇進。落語なら師匠から真打ちとして認められる。
2軍の野球選手が1軍になる。

そうか。
「ここからがはじめてスタートなんだ」と。

オレがダサいライブやかっこわるければ認めたヒトにも恥をかかせる。
オレはマリさんに認められる為でも
マリさんの為にうたっているわけではないがやはり気にはなる。

でも結局のところ「いい詩。いい曲を一生懸命うたい続けるだけ」だから。


昨年末ぐらいからそのライブの翌週ぐらいまでに
いつもカオルの相手をしてくれていた約5万人の「女性たち」が
目配せして申し合わせたように消えてしまった。
オレは「どいつもこいつ。去る者追わずじゃ」と不貞腐れていたが
最近どうも塩梅がよくない。

考えてみれば「まったくのひとりの状況」というのを
オレは幸か不幸かほとんど経験していなくて少々へこたれている。
電話もメールもぜんぜん来ない。
レインとしか話さない日も増えた。
先の丸くなった鉛筆でその日その日を塗りつぶしているような日々。

レインブログでは「芋虫がサナギになり脱皮して蝶になったばかり」と表現した。
新しい羽に慣れていないのだ。
地べたを這いずり回り暖かいサナギの中で育った。
気がついたら自分に羽が生えている。
なぜだろう?
さっきまで甘い夢を見ていたのに。
オレは蛾だか蝶だかわからないけれど羽が生えているぞ。
うむ。
これを使って飛べということなのだろうが。
正直怖いな。自信がない。
でも飛び回らなきゃ甘い蜜は吸えないんだぞ。

そんな心境だ。

毎日同じものを喰い風が吹くのを待っている。


昨夜は徹夜になっていままでずっと起きている。
なんとなく「クスリを飲まなくても眠れるのでは」と想った。
夜明け頃に数十分ぐらいまどろんだだけだ。

朝米を炊いて米だけを食べた。
ちょっと散歩や買い物に行ったら雨が降って来た。
親父の形見のブーツ風長靴が臭かったので昨日洗ったんだ。
だから靴下を足袋のようにしてサンダルを履いていた。

徹底的にびしょ濡れになった。

遭難するかもしれないと想ったが
さっき雪の中を銭湯まで行って来た。
とても暖かかった。

こういう時に新聞の配達などはきついだろうな。
野良猫たちはどこでしのいでいるのだろうな。
こんな夜にも争うヒトはいるのだろうか。

レインはいまヒザの上で眠っている。
とても愛らしいし暖かい。
が。
人間のメスネコの人肌が恋しい夜も。

また毎週。
 


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