カオルの不定期日記



ライブ詩人 2010年01月09日(土)

  2010 1/8 ( fri ) 15:00pm
雲がゆっくりと流れていく。


「ライブ LIVE」という単語を
パソコンの自動翻訳機にいれると「生きる」と訳されることが多い。

我々バンドマンが演奏することをライブと呼び
その場所はライブハウスと呼ばれる。
オレにとっては確かに「生きる場所」だ。

ライブと次のライブまでの間は
リハや準備もあるけれどひまつぶしの時間だ。
Killing Time.
ひとつの「生きている瞬間」を体感し夢を見る。
夢から醒めて次のライブまでを夢見て生きる。

ここ10年ぐらいライブハウスへ来るお客さんの総数が激減。
理由はふたつあると考えている。
バンドの数に対してライブハウスが多すぎるのだ。
またライブハウスの形態なども変わり
店のチラシに「出演料 1500円×20枚ノルマ」などと書かれている。
これじゃあカラオケボックスだ。
そのカネを支払えば30分程度の時間で好きに唄いっぱなし。
昔は店のブッキングマネージャーがバンドにダメ出しをしてたけど
そういうことをすると打たれ弱くなったバンドは嫌がるので出なくなる。
ブッキングマネージャーは「次回のノルマ」が欲しくて媚びる。

昔はノルマという制度が少なかった。
バンド数よりライブハウスが少なかった。
だからオレたちは必死で客を呼ぶ。
そう。
ブッキングマネージャーに気に入られるか
たくさんお客を呼べるバンドしか「次」はなかった。
イベントでなければ「3バンド40分ずつ」が原則だった。
これだとお客さんもぜんぶのバンドを観ていける。
最近は5バンドなんか普通だ。
バンドに出やすいノルマをつけて
その分「バンドの数で売り上げの確保」になる。
まあダンピング合戦のようなものだ。
でも5バンドを最初から最後まで見るのはつらい。
だから「目当てのバンドを見たら帰る現象」になる。
またバンドも最後までいないで終わったら
ノルマを払って最後までいないで帰るヤツらもいる。
悪循環。

もうひとつの理由はバンドだ。
最近はユーチューブなどが発達している。
だから「それ見とけばいい」みたいなヒトも増えた。
またバンドも「CDと同じ演奏」をする。
ライブにはアクシデントや「ライブ 生で見ないと」ってのが重要。
でもCDと同じライブじゃあCD聴いてりゃあいいやとなる。
つまり「ライブにいく付加価値」をバンドが下げているんだな。

景気も悪いしチケット代はあがるばかりだから
お客さんのふところにも影響が出る。

オレはそうならないようにしている。
喋り。ニオイ。温度。
そういうモノを大切にしながら
「その日のベスト 次はないかもしれない」と想って唄っている。

オレが「生きているスガタ」を見てもらえる唯一の場所だ。
だからなるべく綺麗な服を着ていく。

なんだかまとまらなくなってきた。

若いバンドマンへ。
チカゴロはPAや照明さんに挨拶しないで帰るバカが多いらしい。
誰のがキミの演奏をいい音にしてくれるんだ?
誰がキミのスガタを素敵に照らしてくれるんだ?

基本。

オレはその「ライブハウスそのもの」を建設した「名もなき労働者」に
感謝しながら唄っている。
「せっかくオレたちがかっこよくつくったんだから
 ダサイ演奏するなよな」

また。
 


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