カオルの不定期日記



黒猫レイン作「銭湯のお話」の巻詩人 2009年11月28日(土)

  2009 11/28 ( sat ) 10:30am
晴れていて暖かい。

レインが執筆していたブログ「黒猫レインかく語りき」が
事故で消滅してしまった。
レインは「次回分」を用意していたので寂しそう。
だからここに載せることにした。
レインへの返信は「黒猫レインと(元)鬱病詩人」の方へ。



にゃままま。

わたしはがんばって「お話」を考えました。

あるところに黒猫のレインと詩人がなかよく暮らしていました。
ふたりは毎日が楽しいのですがお家にお風呂がありません。
だから詩人は銭湯にいきます。
でも遠いから冬は湯冷めをして風邪をひいたらダメです。

黒猫レインはベランダでお祈りをしていると
シャボン玉の中から七色の妖精があらわれました。
「レインちゃん。なにか困っているの?」
「あ。綺麗な妖精さん。あの。詩人が近くに銭湯があるといいのです。
 だからおうちの近所に銭湯ができたらと想ってお祈りしてました」
「そうですか。レインちゃんはえらいネコですね。
 たいていは。特にニンゲンは自分のお願いばかりですからね。
 わかりました。レインちゃんに『銭湯の種』をあげましょう。
 すっきりと晴れた朝に近所の空き地にいきなさい。
 詩人にはなにもいわずに銭湯の種をまくのです」
「わかりました。とてもありがとうございます。
 種にはお水とかご飯はあげなくていいのですか?」
「大丈夫です。そのかわりレインちゃんは雨の日も風の日も
 毎日1回ベランダでお祈りをするのですよ。
 そしたら半年後にうまくいくでしょう」

わたしは晴れた日に眠そうな詩人を起こして空き地に行きました。
「レイン。眠かったけどこんなに青空だと気分がいいやーね」
「詩人。あそこの空き地にいこうよ。
 そしてこの種を埋めてちょうだい」
「いいけど。その種はなんだ?」
「いまは教えちゃダメなの。半年後に愉しみ」
そして詩人はそっと地面に種を埋めました。

ちょうど半年後。
詩人が喜びながら帰ってきました。
「レイン。ラッキーだぞ。前に種を埋めた空き地にさ。
 なんと銭湯が開店したぞ。近くでラクチンで湯冷めしないぞ」
「ホントだったんだ。詩人は嬉しくてよかったね」
「おお。なんかいまならなんでもお願い訊いてやるって気分だぜ」
「詩人。シャボン玉を買ってちょうだい」
「いいよ。たくさん買おう。いま行こう。
 ふたりで吹きまくろう。このくすんだ世界を虹色に。
 もしかしてシャボン玉の神様が登場するかもよ。くしし」
「神様じゃなくて七色の妖精よ」
「ん?まあいい。買いにいこう」

シャボン玉は綺麗でした。
詩人は「大量生産する」って扇風機でやりました。
近所の子供達もいっしょにやりました。
虹色の妖精さんもあらわれましたがニンゲンには気がつかないようです。
わたしはお礼を言いました。
妖精さんは素敵に微笑みました。

おしまいです。

にゃま?
 


- Web Diary ResVersion ver 1.09 -