カオルの不定期日記



横須賀電話詩人 2009年07月05日(日)

  2009 7/4 (sat) 21:20pm
夜風が気持ちいい。

昨日は横須賀でライブだった。
白いグランドピアノを弾くのははじめてで
とてもいい音がするし
なんだか「はじめてのオンナを抱く気分」みたいでワクワクした。

オレをイベントに呼んでくれた稲葉ナオキも荒井サトシ君もよくしてくれた。
たいていのヤツは30代/40代/結婚や就職など/で音楽をやめてしまうが
ナオキは結婚しても40過ぎても「プロを目指している 紅白に出る」と
その「大バカ野郎」なカンジがとてもよい。
ナオキの曲のフレーズで「人生の意味なんて知ることはない」というのが
強く印象に残った。

すごく気持ちよく唄えていた。
食事も出る飲み屋なので途中でトイレに立つヒトや
お喋りをするヒトもいたけれど
そういうのは「飲み屋でやる時の宿命」だとオレは思っている。
帰っていくヒトもいた。
遠方から来たのかもしれないし
オレの唄が気に入らなかったかもしれない。
残念だけれどそれは「個人の好み」だからしかたない。

ただ一晩寝ても釈然としないことがあったから書く。
オレはその日12曲予定していた。
ちょうど半分ぐらいにリンダを唄った。
オレはすぐに「相棒達のバラッド」を唄おうと思った。
そしたら店の電話が鳴った。
ステージまで大きく響いた。
オレは水を差されたような話の腰を折られた気分だったし腹も立った。
お客さんはみなマナーモードなのになぜ店はそうしていなかったのだろう。

オレはマイクで言った。
「電話だよ。出なくていいのか?つーか普通切っとけよ」と。
オレは内心「電話が終わったら呼びにきて」とステージを降りようと思った。
そしてそのまま帰ってしまおうかと思った。

でもその日に限ってたまたま店員がマナーモードにするのを忘れたのかもしれない。
横須賀のその店では「それが通常というルール」なのかもしれない。
それにわざわざオレの唄を聴きにきてくれたお客さんに悪いから
やっぱり予定していた曲はぜんぶやろうと
ステージに残りふざけて喋りながら電話が終わるのを待った。

唄いはじめたが集中力が完全に途切れてることを自覚する。
だからオレは演じた。
「電話などまったく気にしてないよ」という風に演じた。
それがお客さんどう見えたのかわからない。
またヒトによっても意見は違うと思う。

ただオレが嫌だったのは「なるべく自然体で演じない」という
大げさにいえば「信念」みたいなものを自分でねじ曲げたことだ。

終演後物販の片付けをしていた。
店のスタッフが6人ぐらいいたけれど
誰もその電話についてなにも言って来なかった。
言い訳でも謝罪でも開き直りでもいい。
「なかったこと」にされたのが嫌だ。

細かいことだと思うけれど細かいことが大切なんだ。
アコースティックのライブの時に店の電話が鳴り響いて
誰かにとって「プラスになる要素はない」とオレは思う。

オレがライブハウスに勤めていた時。
やはりアコースティックのライブで
「お酒をつくる時に製氷機から氷をすくうガシャガチャした音」が
オレも気に入らなくて実際苦情も来た。
だから前もって別の容器に氷を用意して
専用のハサミでひとつずつグラスに入れることにした。
もちろん少々時間がかかる。
それに文句を言う客がいたらこう答えろとオレは指示した。
「一気にやった方が早いんですけれど
 その音が演奏者やお客さんの耳障りになるといけないので」
それでも文句を言うヤツがいたらオレを呼べと。

念を押すけれど
このイベントの主催者の稲葉ナオキにはなんの罪もない。
彼の方が気にしてくれていたし。

CDは1枚だけ売れた。
ナオキが買ってくれたんだ。

ナオキ。
すまんな。
オレは「うやむや」にできない性分でよ。

また。
 


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