カオルの不定期日記



写真集詩人 2009年03月20日(金)

  2009 3/19 ( thu ) 22:08pm
風がつよい。


冬になりかけた頃に渋谷に打ち合わせにいった。
写真家のミラクールと偶然逢った。
ヤツはなにかひらめいたらしく
突然「屋上で撮影をしましょう」とEASTのてっぺんに連行された。
ミラクールの指定した場所に立ちアクビをしたり
タバコを吸ったり下界を眺めたりしていた。

それはなんだかいい写真になった。
ミラクールはそれを大きい写真にして燃やした。

しばらくしてまた連絡があり「レインを撮りたい」と
古本屋まで来た。
レインはビビって隠れていたが数枚すごくいいのが撮れた。

そのまま渋谷に連行された。
センター街や109や「いわゆる渋谷」で写真をたくさん撮った。
写真詩集の「あとがき」にも書いたのだけれど
オレは「渋谷で被写体になった」のは何回かある。
でも他のカメラマンは「渋谷とわからないロケーション」を選んだが
ミラクールは「渋谷バリバリ」のところを選んだ。

ミラクールは渋谷でのワンマンなどライブの写真も撮ってもらった。
たくさんいいのが撮れたのだけど「これどうすんの?」ってなり
じゃあ写真集にしようとなった。

何度も写真を並べ替えたりレイアウトを考えてるうちに
「短い詩と短い小説が必要だ」とオレは想った。
それで「フォト&ポエトリーブック 写真詩集」になった。

コンピューターの技を使ったり
プリントされた生写真をオレは破ったりハサミで傷付けたり
なんともおもしろいものが出来た。

ぜひこれを「本にしたい」と調べたがけっこう高額だ。
オレの後輩の印刷屋を優しく恐喝した。
「もっと安くならないのか。例えば社員割引制度を使うとか」
「あの。すでに使っております」

それじゃあ「定価はいくらにしようか」と相談した。
「オレは人気がなくて音楽じゃなくて写真集だと
 たぶん30冊ぐらいしか売れない。
 経費で割ったら1冊1万とかになるぞ」
プロデューサー田村が「ワンマンの来場者にプレゼントはどうですか?」と。
オレは笑った。
「それがいい。4500円ものチケット代をとるんだ。
 ドリンク&写真集付きにしよう。どうせ赤字だ。
 世の中はみんな景気の悪いカオしてるから
 オレたちは景気よくやろうぜ。
 客がくれば来るほど赤字なんて笑えるぜ」

誕生日ワンマンでプレゼントする写真詩集には「サインなし」にする。
どうしてもサインが欲しかったらもう1冊買えだ。
通販や他のライブ会場でも売るが値段は「1000円以上」だ。
価値判断はオマエに任せる。
1000円で買ってくれても1億で買ってくれても
オレは同じサインをするぞ。

たぶんみんなが想像しているより「30%増しぐらいの上出来」だと想ってる。

制作する過程でたくさんの「試し刷りの紙」が出た。
ゴミにするのはもったいないから
最後のページにそれをオレが適当マシーンで切り抜いて
三日月やハートのカタチにして貼付けようと考えている。

特に「タイトル」はないんだけれど
たぶん「人類が初めてついた嘘ってなんだろう」になりそうで
でも巷では「タバコのヤツ」とか言われるんだろう。

シンガーソングスモーカー。

ピース。
ラブ&スモーク
 


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