カオルの不定期日記



バクテリア詩人 2009年03月11日(水)

  2009 3/10 (tue) 17:30pm
夕方から小雨。


昨日は免許の更新に行った。
5000円ぐらいかかった。
講習のビデオを見ている時間はすごく無益だなあと想った。
他の受講者たちも退屈そうだったので
少しだけ教官の目を盗み「ビデオ早送り」した。
たぶん2度と逢う事のないヒトたちだろうけれど
ほんの数秒だけれど奇妙な連帯感を感じた。

オレも例外なく死ぬ。
交通事故か肺がんかわからないけれど。
もしできるのなら死体は焼かないで欲しい。
オレは煙を吸うけれど煙りになりたいわけじゃない。

どっか山奥に放置して欲しい。
鳥葬とか風葬とかあるけれど
オレは「バクテリア葬」がいい。
バクテリアや草木の栄養分となる。
その草を動物が食べその動物を誰かが食べたりして
オレの遺伝子のカケラは地球滅亡の時までたらい回しになる。

オレはこの考えは自然だと想っている。
人類がある文明を手に入れるまではずっとそうだったし。
河に流せば魚たちの栄養になる。
焼いたらもったいない。
だいたい「火葬の熱量」とか
温暖化にどうなのよ?
燃料代の節約にもなる。
だいたい「墓に執着」しないですむ。
あんな暗いところに閉じ込められたくない。
だいたい「まだ使い道のあるものを焼き捨てるなんてもったいない」と想う。

オレたちは他のイキモノの命や遺伝子を食っている。
その栄養でなんとか悩みながらも生きている。
だから死んだら栄養を返したい。
かなりニコチンの含有量の高い死体だけれど
それなら「煙草畑」とか「タバコロード」に放置してくれればいい。
本望だ。

「え?カオル。
 ああ。この前死んだよ。
 墓参り?墓なんかないらしいよ。
 どこかの煙草畑で肥料になったから」

話を変えよう。

ブイイーン。

いま「誕生日ワンマンのコインロッカープレゼント」を45個集めている。
ひとつひとつに「手紙」を添えるつもりだ。
そして「当日の新聞紙」にくるむ。

内容の一部を紹介。

・未洗濯の衣装や帽子など
・無条件幸福やワンマンやカラスのPVなど
・ロボット
・バックステージパスやその日のライブ音源
・指輪
・カオルオリジナルジッポライター

などなどだ。

塚本にはギターも弾いてもらう。

会場の渋谷クレストは5階にある。
階段が95段もある。
ちょっと仕掛けを考えている。

なんとしてもこの日までは「生き延びたい」と想う。
そして毎回「これで最後かも」と想いながら全力で唄いたい。

そうだ。
今日は精神科に行った。
諸悪の根源「安定剤デパス」が抗うつ剤に続いて「なし」になった。
揺れるのが心。
そういう当たり前のことに気がつくまで44年もかかってしまった。

病んだボーイズよ。
悩めるガールズよ。
最大の敵は「自己憐憫 自分が可哀想だと想う心」だ。
誰にでも「事情」がある。
コンプレックスもある。
お父さんに殴られたヒトと殴られた事のないヒトと
お母さんを殺してしまった人と殺された人と
戦争のある国に生まれた人と生まれつき顔にアザがある人と
「どれがいちばん不幸か」なんてくだらない。
ぜんぶまとめて「それぞれの事情」でその「順位」はない。

なぜ自分は「こんな風に生まれたのか」という「犯人探し」はダメだ。
結局「生まれて来なければよかった」になり
じゃあ父と母が出会わなければよかったになり
その父母を生んだヒトたちがダメだってなり
じゃあ人類なんていなければそうかバクテリアがいけないというか
地球があることじたいがダメなんだという「迷宮」に入り込む。

オレは「ウツの引きこもり期間」にこんなカンジで「誰かのせい」にしていた。
でも。
「犯人」はいなかった。
強いてでってちあげるのなら「神と宇宙」だった。
だけど相手が神と宇宙なら降参だ。
重力にも運命にも逆らえない。

中略。

で。
オレにとって有効だったのは「適当マシーン」だ。
ほどほど。
仏教で仏陀が最終的にたどり着いた「中道」とやや近い。

しかしオレは「悟らない」し「悟りたくない」んだ。
「悟り」を目指している人々にケチを付けるわけじゃあないのだけれど
オレは。
悟ってしまったら。
「終点。可能性がない状態」としか想えない。

宇宙人はいるかもしれないしサンタもいるかもしれない。
生まれ変われるのかもしれないし天国があるのかもしれない。
来世があるとしてもとりあえず「1度は死なないと」だし。
死ぬのは怖いけど
ずっと死なないのもしんどい。

オレは煩悩に振り回されながら
全力で唄い全力でつくり
あとの時間は適当マシーンでやっていこうと想う。

レインを見ていると自然にそう想う。
必要なだけ食べてなるべく居心地のいいところでうたた寝をして
たまに遊んだり淋しがったり。

薫風の季節に生まれたオトコ。
カオルはそんな風に暮らしていく。


「人間よ。死を恐れるな。
 誰もが死ぬんだからよ」
〜思想家 レインアルカロイド語録より〜
 


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