カオルの不定期日記



ヌードライター詩人 2009年09月13日(日)

  2009 13:00pm (sun)
女心と秋の空。


ゆうべ縁日に行った。
射的で「エッチな写真の偽物ジッポライター」をとった。
弾は6発あったがオレは3発目で落とせたので
残りは熱くなってるとなりのガキにプレゼントした。
これからライブの時はこのライターを使おうと想ってる。

「縁日のライター」には少々苦い想い出がある。
小学校3〜4年生ぐらいだったと想う。
友達と近所のお祭りに行って射的をした。
コカコーラの図柄のライターが欲しくてがんばった。
命中して倒れてやったぞと想ったけど
倒れただけじゃダメで後に落ちないともらえないと言われがっくし。
しかし粘ってコカコーラのライターをとった。
友達もすごくはしゃいでオレは気分が高揚していた。

縁日のにぎやかな喧噪と発電機で光る電球の下では
そのライターは純金よりも魅惑的でオレは宝物が増えたと喜んでいた。

家に帰って家族に自慢げに見せた。
ミチコママは「よかったわね」なカンジだったが
オヤジが渋いカオをする。
「子供にライターは相応しくない。
 だからそれはオレが預かる」と。
オレは弁舌をふるって暴れて泣いたが没収された。
悔しいから「誓約書」のようなものを要求した。
「このライターはカオルが未成年じゃなくなったら返却する」と書かせた。

オレは「その日」が来るのを待っていた。
時が流れるに連れてそのライターへの執着は減ったが
没収された悔しさみたいなのは靴の中の小石のようにずっと心にあった。
そして18歳の誕生日にその誓約書をオヤジに見せて返却を要請した。
オヤジは「どこにしまったか忘れた」で結局返してもらえなかった。
そんなに立派な屋敷ではないのだが古本が10万冊ぐらいあるし
「物を捨てないタイプの両親」なので捜索はほぼ不可能。

そんなことがあったのでゆうべのエッチなライターはすごく嬉しかった。
プレイボーイ紙の表紙を飾るようなヌードガールが笑っている。
印刷ではなくてもちろんシールだけれど。
中身を本物のジッポと換えれば実用できる。
みんなに自慢するつもりだ。
「このライターは射的で落としたんだぜ。
 しかも3発目にキメたんだ」と。

ものすごく下品なライターだ。
たぶんちゃんとした店では売ってないだろう。
ハワイとかの観光地ではあるかもしれないが
あれは「夜店のバッタもん」じゃないとダメなんだ。

雨がぱらついていた夜だったけれど
オレの心はスッキリと晴れていた。


おわり。
 


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