カオルの不定期日記



6年目詩人 2007年05月04日(金)

  2007 5/2(wed) 14:10pm
すごく天気がいい。まだ冬のコートをしまってない。


昨日は精神科に行った。
「断酒6年目」突入を「精神科医に祝ってもらおう」と想ってたのに。
だから「わざと断酒を始めた5/1にブッキング」したのに忘れてたよ。

飲酒の「最盛期」はライブハウスで働いていた。
原価で飲めるしオレが帰るまで店閉まんなかったし。
当時の部下の証言によると「バーボンを2日で3本」だったらしい。
それ以外にも家でも飲んでたしな。

つまみは「バファリンとか安定剤」だった。
店長の北京面が偏頭痛で常備していたものをパクっていた。
オレのテーブルにはグラスとボトルとクスリと灰皿が並び
いつの間にか「クスリ」は「カオルのラムネ」と呼ばれるようになった。

酔うほどに言動が暴力的になり
グラスを割ったりバンドマンに喧嘩をふっかけ一方的に殴られたり。
数々のヒトを精神的にも肉体的にも傷つけてしまった。

ある秋の頃。「仕事の波」がおさまったのでオレは4連休ぐらいした。
すべての内蔵が悲鳴を上げているのがわかった。
「精神科で安定剤をもらう日」だったけど動けなかった。

幻覚と幻聴が始まった。
最初は「夢が濃くなる」カンジだった。
そのうち「境目」がわからなくなってきた。

「夢の中で読んだ本の続き」を現実の本棚で探す。
「前に死んだトモダチ」に「逢う約束をした」と
明け方に風呂に入りヒゲを剃りタンスをひっくり返し「いちばんよい服」を探す。

同居人だった女性に問われる。
「こんな朝早くなにをしているの?」
「M君と逢う約束をしたからオシャレをする。ひさしぶりだし」
「え?Mさんは。確か死んじゃったんじゃなかったっけ?」
「ん?そういうコトはよくわからないんだけど
 とにかくさっき逢う約束をしたんだ。じゃ行ってくる。
 駅前で待ち合わせなんだ」

オレは駅へ向かう。
途中の販売機でワンカップを買う。
一気に飲み干すと急激に気持ち悪くなる。
公衆電話にコインも入れずにダイヤルして話しだす。
「あ。Mか。カオルだよ。ちょっと体調が悪くなった。夜また連絡する」
その場に座り込んでまた少し寝てしまう。

部屋に戻る。
誰もいない。
同居人は仕事に行ったのだろうけど
オレは「隣の家に潜んでオレを監視している」と妄想している。
壁を見るとそれはマジックミラーのようになっている。やっぱりな。
オレが飲んでるかどうか監視してるんだ。
ヘリコプターが飛んでいる。
ああ。オレを捜しにきやがった。
ネコのトロ君の目の間が「発光」してメッセージを伝えてくる。
オレはその光が眩しいので別の部屋に行きドアを閉め
携帯電話に「106 トロ」と番号を入れ話す。
誰かが雨戸やガラスを叩いている。うるさいのでテレビをつける。
テレビからはオレの声が聴こえ「過去の嘘」を告白している。
天井がいつの間にかガラスになっている。
オレはガムテープなどで壁や窓に目張りをして押し入れの中にうずくまる。

銃声で目が醒める。
悲鳴も聞こえる。的確に効率よく殺戮していく音だ。
もうダメだ。オレの部屋のすぐそばまで来ている。
片方に携帯電話を持ち実家に電話をしながら
家の電話で警察に電話をし「銃声が聴こえる」と叫ぶ。

ドアをノックする音が聞こえる。
ドアまで行くと「殺戮者の声」が。
「なんだあ。カオルか。オマエは仲間だから殺さないよ」
安心してドアを開ける。
すると「殺された人達の憎悪」が強風のようにオレにからみつく。
「オマエはヤツらとグルだったのか。人殺しめ」
オレは気が遠くなる。

ああ。
いつの間にか警官がいる。(現実の)
オレは抱きつく。泣きわめく。
でも手が「腰のピストル」を取ろうとしている。

気がついたら精神病院で点滴を打たれていた。
川崎の市民病院。オレの産まれた病院だ。
まわりは競馬競輪場とソープランド街と浮浪者達のねぐらとヤクザの巣。

担当医に言われた。
「地獄はこれからだよ。
 あんたは『仕事や人間関係のストレス』から逃げるために酒を浴びた。
 これからはシラフでそれと向き合わなきゃならん。
 どんな威勢の良かったヤクザモンでもこのケースの場合
 2週間から1ヶ月ぐらいの間に『極度の鬱状態』になる。
 ほとんどのニンゲンはそれに耐えられなくて酒かクスリに手を出す。
 そんでまた幻覚をみて身体を壊しここへ戻ってくる。
 そのサイクルがどんどん短くなり内蔵を壊して死ぬか自殺をする。
 飲んだら終わり。でもシラフはつらい。地獄だよ。
 『創作』とか絶対ムリだかな。駄作みて自分でまた落ち込むし」

「我に帰ったカオル」はしおらしく「はい」と聞いていた。
「地獄?」。リアルじゃなかった。

それから20日ほど過ぎてそいつはやってきた。
「巨大な鬱の塊」だった。
これか。このコトか。
オレは耐えきれずにすぐ酒を飲んだ。
一時的にスーッと楽になる。
でも酔いが醒めると「もっとヒドい鬱」になっている。

酒屋の前に行く。
コインを入れる。
すぐ「返却レバー」を回し家に戻る。
でもまた引き返す。
どちらかと言えば「買って飲んで後悔」した方が多かったように想う。
その繰り返し。

それから約1年半。
アクシデントもありライブハウスを辞め酒も辞めた。
あれだけ苦しんでいた酒が「デンソンと約束」したら辞められた。
「ジェネレーションズ」はその期間のシラフの時に書いた。
それ以降の作品はすべて「ノンアルコール」だよ。

デンソン夫妻に先日娘が産まれた。
冷えたジャスミン茶で申し訳ないが乾杯させてくれ。

オレは「まだわからない」けれど
現時点では「酒はクリア」した。
次は「鬱」だ。
何度か鬱に耐えられなくて「クスリがぶ飲み」してるしな。
「酒」は「実体」があるから。買わなきゃいいとか考えられるけど。
「鬱はわからない」からな。数値化できないしよ。

長くなった。
同じようなコトを何度も日記で書いた気もする。
でも「確認」のために必要だったのだよ。
オレは「まだ辞めてる途中」というコトをね。
 


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