カオルの不定期日記



詩人は夜明けに湯につかる 2006年12月31日(日)

  2006 12/7 5:50pm
まだ外は暗い。朝陽がのぼるまであとちょっと。


午前5時に布団から出た。

そんでわりと冷たくなっている風呂につかった。
(温水プールぐらいかな)
タバコを吸いながら空をぼんやりと眺めていた。
次第に明るくなっていく。
「夜」から「夜明け」にグラデーションで変化する空。
そのつかの間(2分ぐらいか)「限りなく透明に近いブルー」の空を目撃できる。
朝でも夜でもないほんの一瞬の淡い「神の休憩時間」のような。
「限りなく透明に近いブルー」は村上龍さんのデビュー作だ。
原題は「クリトリスにバターを」だったらしいがスタッフに懇願され変更したらしい。

have you ever seen the toumei sky?

まだ目撃したコトのないヒトは
「放蕩の朝帰り」のように「無為にはしゃいだ夜」のあとに
できればこの寒い時期に見るのがいいだろう。
この色が沁みて来なければしあわせな証拠だし
「綺麗だな」と想えたらそれがしあわせだし。

しかし本当にカオルは「いいご身分」である。
働きもせず年老いた両親のスネをかじり暮らしている。
超ラッキーだと痛感する。
朝風呂なんてな。贅沢きわまりない。

朝というのは「始まるカンジ」がする。
なぜだろう?
湯につかりながら「本日もまだ生きている。長い一日が始まる」と想った。
そして夜は「終わるカンジ」がするな。
「いろいろが終わった。眠れる。生きてればまた明日」と。

カオルの偏見によればこの国に暮らす人々の大半が
「死を恐れている・老化を嫌っている・長生きに夢中」なカンジがする。
医療技術は進歩し続け病院はいつだって混雑しており
健康食品は売れ続け肌の手入れやダイエットやそんなこんなが散乱している。
寝たきりになったヒトやその介護をするヒト。
孤独死など問題もありビジネスチャンスでもあり
オレに言わせれば強欲で不自然な時代である。

そんなに長く生きてなにをしたいのだろう?
いろいろが発達しすぎて「無駄に平均寿命が伸びている」とカオルは想う。
オレはマジで「ある年齢を過ぎたら自殺する権利・安楽死」があってもいいと想う。

ピカソは80歳頃に3人目の奥さんに子供を産ませ死の直前まで絵を描いていた。
筒井康隆さんは正確にはわからないが70歳前後で「魚藍観音記」という
「発禁回収覚悟!」と帯に記された「過激な短編集」を書いた。
敬虔なる仏教徒のヒトは怒り狂うかもしれないが
「童貞歴千年の孫悟空が観音様とやりまくりそれ観ながら猪八戒が自慰行為をする」という内容。
「目的」を持って生きているヒトはかっちょいい。

カオルは「死」というものがまったく恐くない。言い切れる。
その後に「どうなるか」は「その時で」と考えている。
ただ「死に方(殺され方)」には恐怖がある。
生き埋めになったり監禁拷問されたりとかね。
先日「ヒドい頭痛で」と日記に書いた。
そのとき本当に「意識が薄れるようなカンジ」がして
なんとなく「あ。オレもう起きねーかもしんないな。まあしゃーねーな」と想ったんだ。
とにかく「死ぬかも」と想ったらうっすら自然に笑みさえこぼれた始末だよ。

あのさ。「絶対」というコトバはさ。それの「正しい使用法」はさ。
「生あるものは絶対に死ぬ」だけじゃないのかなって。
「この土地絶対に値上がりする」とかの甘言で被害者加害者たくさんの強欲時代にさ。
「決まってる事」だからさ。ジタバタしてもしゃーないじゃん。
「ジタバタする目的」があるならいいけどさ。

「生きていればいい事がある・いい事もある」?
「絶対」だな。
信じていいんだな。

「老化」というのにもあまり興味がない。自然なコトだし。
オレは「実年齢より若く見られるケース」が多いけれど特に嬉しくないし
そのための「努力」などしてないし努力に必要なカネなどもっておらん。
ただ最近「唄うのが以前よりしんどい」気がしてきたので
ストレッチなり走るなり多少の「企業努力」は必要だろうと感じている。
ミックジャガーが酒を辞め清志郎さんが煙草をやめ自転車に乗ってる「わけ」がわかる。
金子マリさんは葬儀屋の娘だから「死に対して」独特の考えを持っており
本人いわく「結局のとこわかんねーんだけどね。17の時から星と死は不思議だよ」と。
そういえばマリさんは脇の毛を剃ってない。唄ってるとき目撃したけど自然だったな。

「八百万の神々」って言うよな。
まあ「800万人の神」というより「so many」ってことなんだろうけど。
オレたちがガキの頃はひとクラス「40〜50名」をひとりの先生が教えてた。
でもチカゴロは「それじゃ面倒見きれるわけない」って減ってきてんだろ?
英会話もマンツーマンが流行ってるらしいし。
だからマンツーマンとまではいかなくても
「八百万(やおよろず)」も神様がいるのだったらよく選べば?
「有名な神様」に集中すると「生徒が多くて眼が行き届かなくて」さ。
「必然的に手を抜かざるを得ない」で「授業料の割に『教え』がいまいち」かもよ。
「ひとりにひとつのマイ神様」の方がお得ですよ。

すっかり夜があけた。
もう電車は混み始めているだろう。
オレはコレから長めの散歩に行き「7のつく日」のスロット屋イベントに顔を出し
そんで夕べ書いた童話の「朗読」を録音しようと想う。

オレが死んだら「その情報」はどうやってみんなに伝わるのだろう?
メルマガか?風の噂か?有名になってたら新聞の隅に載るかもな。
そんなつまらないことはどうでもいいのだが。
レインを残して死ぬわけには断じてならんし
もうちっと「カオルの作品」を多くのヒトに見せびらかしたいし。
とにかく現時点でオロオロしているのは
「レインの死後」カオルは「ふぬけ」になっちゃうんじゃないのかなというコト。
なにかを特別に愛するということはある意味つらい事なんだな。

じゃ。
帽子を深くかぶりコートの襟を立てダラダラと。
逝ってきます。

うそ。
行ってきます。

グッモ〜ニンヨコハマ!
(映画「グッドモーニングベトナム」のDJのパクリです)
 

詩人の悩み2 2006年12月29日(金)

  2006 12/5(tue) 20:00pm
雨は降っていなかった。雪もみぞれもヒョウも。「いまんとこは」ね。


チカゴロふと思い悩むのは
「我が愛しのレインがカオルの副流煙で肺ガンになったらどうしよう」である。
仕事をしたりロードーをしたりする人々と違いカオルは家でゴチョゴチャしている日が多い。
夏などは窓を開けっ放しにしているのだが
チカゴロは寒くて凍傷になったらマズいので夕暮れから夜は窓は閉まっているケースが多い。
だからといってタバコの本数を意図的に減らすような利口なオトコじゃない。
古本屋の2階に巣を食うカオルとレイン以外のネコ2匹(レイ・モモ)は
ライターを持っただけでステテテテテと逃げ出すのだが
レインは「朝陽の中を漂う煙のゆくえ」を興味深くじっと見つめている始末だ。
チカゴロはオレのカオやクチビルや指を舐めたりクンクンしたり
「ニコチン臭」が「識別の手段」になっているようだ。
レインが「嫌がれば」な。
オレも気を使うんだけど。
愛してるから。

でもアイツは全然平気なんだもん。
オレと暮らすようになってから「タバコとロックがいつもそばに」だからな。
この前なんか「ジョンボーナムのドラムソロの画面」の「スティックあたり」が
ネコ本能を刺激したらしくモニターにネコパンチしまくってたもんな。

あ。レインが「他のネコ達に煙たがられてる(文部省詩人参照)」のは
レインに「タバコの匂い」が染み付いてるからじゃなかろうか。
嗚呼。そうか。そうだったのか。オレのせいだ。無念。
オレはついに武士として切腹をしなければならないのだろう。
ずっと「高楊枝」だったけどな。でも「食ってた」けどな。
レインよ。その際は「介錯」をたのむぞ。
オレ様がネコ用爪切りで我が墮腹を十文字に切り裂くとのをしかと見届けて
そこのエレキギターで我が首をシュッポンと一刀両断に。
オマエは好きにしろ。
後を追うのもよし新しいオトコを見つけるのもよしノラになるならそれもよし。
我がタマシイは常にオマエの周りを副流煙のように漂いながら見守ろう。
オマエがピアノで「Am9」のコードをポロンと鳴らせば
我は「実体」となりオマエをいぢめるヤツを地獄の釜へ叩き込んでくれよう。
カオルはレインの「ガーディアンエンジェル」となりいつまでもオマエを護ろう。

そうなの。レインは最近叱ってもピアノに乗るんだ。
真夜中に不協和音が鳴ったるするの。
でもたまに「よい響き」もあるんだ。
でもピアノに乗っちゃいけないんだ。
それも悩みかな。

あ。「レインのカラダに大量のマタタビすり込み」して他のネコに紹介すればいいのか。
いいのか?
まあ試してみよう。

あ。前に「詩人の悩み」で「眠れない」って書いたじゃん。
あれはね。かなり改善されたの。クスリが大幅に変更なってね。
「マニア」のために薬品名を記しておこう。
・ハルシオン青(0.25mg)2錠
・ヒルナミン2錠
・デパス(1mg)1錠
・ベゲタミン赤1錠
・ユーロジン2mg1錠
この5種類7錠を毎晩22時過ぎにのんでるの。

夜中に目を醒ます回数が1〜2回に減ったのは喜ばしい。
でも「夢を見る・夢の記憶」が激減したのが夢日記を書き始めたばかりだし残念なんだ。
(夢日記はすでに「8」まで書いてあるのだがそれは「前のクスリ」の時ね。ちなみに)
精神科の先生にも夢日記を読んでもらったのだが
「寝てねー。複雑な夢見過ぎ。コレ毎晩?脳休んでねー。ウツ決定。こりゃ疲れるわ」らしい。
現状は「眠れるが夢見ない」である。悩みだ。
「帯に短したすきに長し」である。(ことわざを引用したのだが正解か?)
「各駅停車じゃ遠すぎるが特急は止まらない駅」のようなものか?
って訊かれてもな。

駅で想いだした。

あらすじ。
「カオル不定期日記」は「結末など」を考えずに
「指の動くまま」4分の3ぐらいまで一気に書く場合が多い。
そんでその辺りで最初から読み直し微調整をしながらラストまでと。
とにかく「初期衝動とトーン・ムード」を大切に「細部や意味」はあまり考慮しない。
あとは「書きながらのヒラメキを大切に」というカンジだ。

「だからなに?」と言ったか?
そう言われるとなにも言えない。

駅ね。
オレの巣の最寄り駅はホーム中程に「喫煙所」が設置されている。
本日所用があり電車に乗るのでその駅を利用した。
ホームの喫煙所8mぐらい手前でタバコを取り出した。歩きながら火をつけた。
そのオレをステテテテテと追い越しながら「オトコ」が言った。
「ここは禁煙ですよ!」と声は大きくなかったがきっぱりと言った。
スーツを着た体格の良い(大学時代ラグビー部?正義漢?)眼鏡のオトコ。年下だろう。
オトコは喫煙所を通り過ぎながら「吸ってるヒト」を横目でジロリと見ながら
大げさに首を振り(白人なら両手を広げるんだろう)さらに歩みを速めた。
「絶対に副流煙のこない先頭」まで。

オレは喫煙所で「お仲間」と電車が来るまでタバコを吸っていた。
文句は特別にない。
ただ「このオトコの部下や奥様はかなり窮屈かも」と3秒ほど想ったぐらいで。
まあ結局のところ道徳的にモラルとして一般常識的見地から鑑みて
「灰皿の前で停止してそのエリア内で着火しなかったカオルが悪い」のだろう。

あのさ。
20世紀後半の事件なんだけどさ。
「遅刻した生徒が先生に強引に締められた校門で圧死」ってヤツ覚えてる?
生徒が遅刻ギリギリだから校門めがけてダッシュしてきたの。
でも「取り締まりの先生」は「時計を見てカウントダウン」して
「その時刻ちょうど」に強引に校門を閉めたの。「決まり」だから。
タイミングよく(悪く?)ステテテテテと駆け込んできた生徒が挟まれて死んじゃったの。
どーしょーもない事件でしょ。
「遅刻はダメ」という「ルール」は「その学校に属している限り」仕方ないと想う。
ルールだからそれを「チェック・取り締まる」というのも
「先生」なら「役目のひとつ」だ。
でも「想像力」が非常に欠落しているとカオルには想える。
「校門を強引に閉める」前に「生徒をストップ」させて「事情」を訊く余裕というか
「この子になにかあったのかも。全力疾走してくるぐらいだから」という想像力。
そして「これ見よがし・力任せ」に門を閉めたら「怪我・生徒のストレス」などの判断。
「○○さん。ストップ。現時点でアナタは遅刻ですがなにか『理由』があったのですか?とりあえず中に入って。校門を閉めます。
その理由によって『例外』をつくるつもりはないのですが
今後の『指導』の参考までに。もしも理由が『情状酌量の余地』があると想ったら
決定権のある校長先生に相談してみますから」とかさ。
上記の「タバコ注意オトコ」とその先生は「感性が似てる」気がカオルにはする。

オレが専門学校の講師をしていたとき。
「始業後30分以上過ぎたら遅刻とみなす」というルールがあった。
ごく少数だが「規定時間」を過ぎると鍵を掛ける講師もいたらしい。
確かに「教える側」にしてみると「迷惑・やりにくい」んだ。リズムが狂う。
まあオレの場合は「カオルが話すのを聴く。そしてひとりで詩を書く」だったけど
「みんなで合同で」のタイプの授業は「遅れてくるヤツ」がいると面倒なんだ。
ある日「残り時間30分もないのに」教室に来た女子生徒がいた。具合が悪そうだ。
「どうしたの?こんな変な時間に」「すいません。お腹が痛くて遅刻しました」
「ガッツは認める。女の子なら仕方のない場合もある。だけど『欠席』は変えないよ」
「いいんです。カオル先生の授業をちょっとでも聴きたかったんです」
「よし。今回は『出血大サービス』で『遅刻』に格上げしてやろう。
 ちなみに男子諸君にはこのサービスはないからな。喧嘩で血まみれでもダメね」
なんとも情にもろいオンナに弱いファジーなオトコだね。カオル君は。

最後に2つの悩みをまとめて。
「校門先生」のようなヒトがもうちっと「ファジー」にできないもんかと。
もうひとつは「ファジー」という「言葉の意味」を理解していて活かせるヒトが少ないと。
「マニュアル」を盾に「忠実すぎる正義」というのは
ある種の「暴力」だとカオルは考えている。

ファジーとは「よくも悪くも曖昧・遊びがある」というコトだ。
「一般的に辞書的」には知らないけどカオルは勝手にそう理解している。

また。
 

茶番劇詩人 2006年12月22日(金)

  2006 12/21(thu) 23:03pm
天気?想いだせない。雨もユキもふっていなかった。


アシタのベルズライブにそなえて
自由が丘サークルサウンズで練習をしてきた。
終了後マスターと「来るべき日本の将来」について語り合ったあと
くわえタバコでスタジオから地上へ。

到着した時はまだ明るかったのだが
帰り道はもう夜だった。

交差点のところで腕章をしたふたりのおじさんに呼び止められた。
「あの。すいません。目黒区は12月1日から歩行禁煙になったんですよ。
 だからタバコを消していただけませんか」
オレは携帯灰皿を持っていたのだが
せっかく差し出されたのでその空き缶にタバコを捨てた。
「本当にすいませんね。私たちもふたりともタバコ飲みなんですよ。
 だから気持ちはわかるんですけどね。仕事でね」
「あのね。あそこの線路あるでしょ?アレを渡ると世田谷区なんですよ。
 まだ世田谷は歩行禁煙じゃないんです。ややこしいでしょ」
オレは同感の意を表すためにゆっくり頷いた。
「そしてね。ややこしいんですけどね。
 立ち止まったり座ったりしてそのヒトが携帯灰皿を用意してたら
 わたくし達は注意しなくてもいいんですよ。変でしょ?」
オレはまたゆっくり頷いた。
「ここの道路は渋滞がひどいでしょ。
 わたくしなんかはこの排気ガスの方が気になるんですけどね。
 決まりなんですよ。世田谷の方はいいんですけどね。目黒はダメなんです」
オレは話に相づちを打ちながら
「世田谷側からの副流煙はどうなるんだ?」と想ったがクチにはしなかった。
そんなことは。
いかなる政治家にも神にも明言できないだろう。
とにかく。「なぜ」はなしに「目黒区内では歩行禁煙」と意識して生きていくしかない。
それは「茶番劇」だと条例を定めたヒトも注意するヒトもみんな知っている。
しかしもう「テープは回ってる」んだ。オレたちは演じなければならない。
それが「棒読みの台詞」だとしても茶番劇を愉しみにしている「客」のために。

線路を渡り世田谷にあるドコモショップに行った。
「料金プラン」を相談した。
担当のおねいさんは「研修生」という肩書きであったが
非常に丁寧にベテランのようにいろいろと説明してくれた。
ただカオルの脳は「無料通話分の繰り越しと基本料金」の仕組みがわからない。
たぶん「ポイント・プラン・お得」というコトバを聞くと
脳のどこかの回路が自動的にフリーズするように設定されているのだ。
「おねいさん。すまん。オレはバカだ。1行もわからない。
 シクミはいいから『最適なもの』をおねいさんのセンスで選んでくれ」
「説明が至らなくて本当にすみません」
「まったく謝る必要はない。オレがバカなだけだから」
彼女は「マニュアルの対応」のカンジではなく「原稿なし」で話しているカンジだった。
オレは彼女の熱心さに少し心を打たれ好感を抱いた。
「必要事項」を記入しているときおねいさんに小声で訊ねた。
「おねいさんも携帯はドコモなの?」
おねいさんはあまり迷わずに小声で「違います」と言った。
その口調は「湖にオノを落とした寓話」のカンジだった。
「アナタの落としたオノはこの金のオノですか?」
「違います。古い鉄のオノです」

おねいさんは何度も「至らなくてすいません。何かありましたら電話を」と言う。
オレは「そんなに心配なら電話をくれ。オレの電話番号知ってるだろ?」
そんな茶番劇の台詞のようなコトバを残して家路についた。

帰りに駅のエスカレーターでオレのふたり前の泥酔したおじさんが転げ落ちた。
オレも救援に行ったが「下にいた親子」の方が早く手を差し伸べた。
その白髪の酔客は自力で立とうとして
結果的に「小柄な母親」を突き飛ばし転倒させてしまった。
母親は反射的に悲鳴を上げた。駅員が飛んでくる。
娘は興奮気味でうまく喋れないのでオレが「3行ぐらい」で状況説明した。
「あのおじさんが酔ってエスカレーターから転げ落ちた。
 この女性達が助けにいったのだがオトコは自力で立とうとした。
 手を振り払うカンジで。それが結果的にこの女性を突き飛ばすコトになった」
そのおじさんはすでにホームの先頭の方にいてベンチにゲロを吐いていた。
駅員は露骨に嫌なカオをしておじさんの方に歩いていった。
きっと終電のあと「おがくず」で「ゲロを固めて」掃除するんだろう。
その行為は「特別手当」などつかず「駅員の仕事のひとつ」なんだろう。

茶番だ。

「そこの黒猫よ。そなたが湖に落としたのは純金の板ですか?
 それとも発泡スチロールの板ですか?純銀の板ですか?」
レインはきっと発泡スチロールの板を選ぶだろう。

価値観。

明日のベルズ。
茶番劇にはしたくないものだ。


オヤスミ。
 

ヨコハマウォーカー詩人 2006年12月20日(水)

  2006 12/3 (sun) 23:00pm
さっき夜散歩してたら星が綺麗であったぞ。


あらすじ。
カオルは高校生の時「BURN」という人気はあったがクソバンドをやっていた。
そのドラマーが正樹というオトコで元ダイヤモンズであったり(イカ天キ〜ング!)
現役はとっくのとーに引退し現在は「社長」をしているのだが「音楽病」は治らず
「定価で雇ったら高額なメンバー」を「タダ」で使い「ヘリコプター」というバンドを組んでいる。
正樹社長は「カワイイ」と言うコトバを聞くと強烈な拒否反応を示す。
もちろん「ネコが可愛い」とか「あの少女は可愛い」など「普通の使用」は大丈夫なのだが
「このTシャツ可愛くない?」とか「その指輪ちょー可愛いんだけど」とかになると噴火する。

先日正樹から「サムズに出たいから紹介して」と打診があった。
紹介するのはやぶさかではないのだが「そのためだけにヨコハマドライブ」じゃつまらんと。
じゃあなにか「猛烈にくだらないコト」をしようとなった。

で。「メイド喫茶」に行くコトにした。
社長のおごりで。

ドアを開ける。メイドが「ご主人様のご帰宅で〜す」とお迎えてくれる。
なんだか異世界のようだ。非常に恥ずかしい。予想通りサングラスが役に立った。
店内に「ペンションの落書き帳」のようなモノがあり
拝見してみたのだが「萌え〜」とか「つんでれ」とか専門用語が多くてよくわからず
「初帰宅です!最高です。でも春まで来れないのは残念。○○ちゃんに萌えました」とか。
カオルの傾きすぎた視線が脳に送る情報から判断した乱暴な印象は「客がなんか変」である。
ひとりで来るオトコ。片隅に座りじっと店員の「似顔絵」を書いている。
カウンターの隅に座るのだがなんだか「絵にならない」のである。
うまく説明できないが「すべてが中途半端なままごと」のようで「不自然」なのだ。
オトコ同士で向かい合って「ひとつのケーキ」を分け合って食べていたり。
とにかく「カオルの美意識」とはまったくズレているのだ。

ああいう絵をうまいとかわからんがなぜ「美少女漫画ちょいエロ」のキャラクターは
なぜ「みんな同じカオ」をしているんだろうと。オリジナリティなさ過ぎである。
ある者は来店時に「ポイントカード」を示す。そこには誕生日が記されている。
メイド達の「ハッピバースデーツーユー」の合唱が始まる。音程は悪かった。
他の客も手拍子・合唱で最後に「おめでと〜」と。
その「誕生日の人」は「祝われに来た」のだろうか。
カップルの客も来る。その場合は「ご主人様と女王様のご帰宅です」という。
なぜ?カップルが?ここへ。

オレは525円のジンジャエールを頼んだ。
正樹は「本日のメイドリンク」といういちばん高額な1050円のを。社長だから。
ミニスカートのメイドが運んでくる。
メイドリンクは「ハート形のカップ」でクリームが山盛りで
色とりどりのチョコレイトのようなモノがデコレーションされている。
恥ずかしい。レインの「サングラスした方がいい」という忠告に従ってよかった。

メイドは「ご主人様正樹」に訪ねる。
「お砂糖は入れますか?」「はい」
「わたしが入れてもいいですか」「はい」
オレは笑いをこらえるのに必死だった。
「お砂糖は幾つ入れますか?」「2つで」
カオルは茶化す。「正樹よ。ダイエットしてんのにグラニュー糖はマズいんじゃネーの」
メイドはひるまない。
「え〜ダイエットしてるんですか?
 でもこのハート形のカップ『可愛いですよね!!』」

正樹撃沈。2cmほど渋々うなずいた。

「可愛いが大嫌いなオトコ」。しかし「うなずく」以外の方法はない。
「でしょ?」の問いかけならまだしも「返事は肯定のみ」の「ですよね!!」だしさ。
さらに「でも」が「接続詞として正確に機能していない」し。
オレは奇声を上げかなり大きく下品に「グヒヒヒヒヒ」と爆笑。
なぜかお客さん達の「敵意のある視線」を感じた。

正直言えばつまらなかった。
特別な何かの理由がなければカオルは「2度と行かない」だろう。
「メイドコスプレなどに超興味があるヒト」でなければ楽しめないのでは。
ポイントカードをつくるかと聞かれたのでオレは「カードは嫌い」と一旦断ったのだが
正樹が「記念につくろうぜ」というので承諾。
誕生日と名前を聞かれ正確に答えた。「カオル。4月5日生まれ」
ポイントは「サイコロ」で決まる。さらに「メイドさん達手作りすごろく」をやる。
「あがり」だと「なんか」あるらしいし「ポイント溜まる」と「なんかある」らしい。

現在このカードはゴミ箱の中にある。

「ご主人様行ってらっしゃいませ〜」の声に見送られながら
「メイドの絵の看板」に並び交代で記念写真を撮った。
思惑通り「猛烈にくだらないコト」は達成できた。

ヨコハマの繁華街を歩きながら「ピアノ専門店」や「良さそうな古着屋」なども発見した。
サムズについて打ち合わせ。当然だが「落ち着くし帰ってきた」カンジがする。
ブッキングマンとの「紹介」も無事終了し「飯食って帰ろう」と。
カオルは「社長だから焼き肉にしよう。おごりで」と
タン塩やゲタカルビやユッケビビンバをむさぼり食った。
帰りにビッグカメラで「カオルが工場でつくった携帯」を見に行った。
ドコモのヤツであぶくが7つぐらいディスプレイされてる丸みを帯びたヤツ。
店員が「あまり売れてない」というので残念であった。
というか「ドコモ始まって以来の売れてねー」らしい。
企業秘密?

車で正樹にニューアルバムを渡され「wonderful world」の歌詞を読んでくれと。
「ちょっと仕掛けがあるんだ」。読んでみた。「直球で解釈」すると「失恋」だな。
でも「仕掛けがある」ならそれは違う。「コロンブスのプレゼントの君」がヒントだな。
コロンブスがアメリカ大陸から持ち帰ったモノは。
カオルはそこでやっと「正解」を出した。「歌詞の謎解き」は難解ではあるがいい楽曲だ。
アルバムジャケットにも「ヒント」がある。
詳しくは「ヘリコプターライブやブログ」で。

15時ぐらいに出かけて帰宅したのは(実家にね)19時半ぐらいだった。
「オトナにしちゃあ早いなあ」とかモゴモゴ言いながら右手だけでバイバイ。

高校生の時コンテストでグランプリをとりワンマン3days sold outだったり
雑誌に毎月特集を組まれてた頃あたりまえであるが
「オレと正樹は24年後にメイド喫茶に行く」とはまったく予想していなかった。
きっとどんな「占い師や予言者」でも「当てる事」は出来なかっただろう。

人生とはそういうカンジでダラダラと流れていくのである。


終了。
 

宣伝マン詩人 2006年12月16日(土)

  2006 12/4(mon) 18:00om
夕焼けをみてほっとした。つーコトは「ほっとしてない状態」だったのかい?


金子マリさんがアルバムをリリースする。
「B-ethics」というタイトル。「ベーッシック」を「マリさん造語」にしたらしい。
意味は「心構え・生き方・倫理道徳観」を表すらしい。
50を過ぎその「ねっこ」はどっしりと大地に根を伸ばしている。
本当にまじめなヒトだ。

曲を提供している人達もなんか「ねっこ」のしっかりしたヒトが多い。
忌野清志郎・さだまさし・佐野元春・Char・矢野顕子さんなど。

渋谷でライブがあるから行こうかなと想ってる。
マリさんにメールした。
「カオルです。遅くなりましたがお誕生日おめでとうございます。
 それとアルバム発売もおめでとうございます。
 イロイロお忙しいでしょうから返信不要でござる」
「カオル君ひさしぶりじゃん!たまには顔見せてよ。 マリ」
「15日行こうと想ってるんですがチケット完売ですか?」
「んなわけねえだろ? マリ」
なんだか歌舞いていらっしゃる。

昨日のカオルは「よし。ビデオデッキのホコリ掃除から始める。作品をつくる前に」と
なんとなくファンのヒトや死んだおばあちゃんやレインなどに誓ったのだが
朝起きてからなんだか「ふにゅけた気分」で大変よろしくないのである。
「ねっこ」がちゃんとしてないのだろうか。

オレは寂しがり屋なんだけどたまに誰にも「介入」されたくない時がある。
出来っこないけど「すべてのつながり」を切ってしまいたい時がある。
酒を辞めてからこういう「傾向」はなぜか強くなったような気がする。
レインとだけはいつだって大丈夫だけど。

こういう気分の時に「隅っこの席」で例えばストーミーマンデーのような小屋で
金子マリさんのライブをひとりでポツンと観たいなあと想う。
そして「酒が飲めたらなあ」と想う。ズブロッカやギルビーズのジン(緑)がいい。
氷はデカいのをひとつ。ノーチェイサー。つまみなんて冗談じゃないぜ。
キンキンに冷やされたズブロッカ。そっとキスするようにグラスにクチビルを寄せる。
とろ〜りとしたウォッカがノドを焼く。そのまま胃の方へ落ちていくのがわかる。
胃がホワっと発火する。続けてもう一口。そしてタバコに火をつける。
「脳」がじんわりとほぐれてくる。顔の筋肉が柔らかくなる。
ブルースが聴こえる。
ブルースが揺れている。
ブルースが泣いている。

ほろ酔いでふらつきながら駅へ向かう。
「ココロに残ったメロディー」を口ずさみながら。
もう悪い事なんて「すべて過ぎ去ってしまったような気分」になる。
電話をして「誰か」に迎えにきてもらう。
なんだか寂しいから。

自分で書いてて飲みたくなりそうだからヤメだ。
飲まないけどさ。「死ぬ日」がわかるまではね。

若いシンガーにはぜひ金子マリさんのライブを観て欲しい。
特に「唄ってるヒト」は。
自分がどんなジャンルの音楽をやっていても関係ない。
とにかく「17から唄い続けているヒト・子供ふたりもミュージシャンに育てたヒト」の唄を聴いて欲しい。
そして「ぶっ飛ばされて」貰いたい。

今日はマリさんの宣伝みたいな日記だな。
つーか。
そうだろ?

じゃ。また。
 

イブ詩人 2006年12月11日(月)

  2006 12/2 (sat) 0:40am
明日はドライブだから雨でもいいよ。


クリスマスの前日を「クリスマスイブ」と呼ぶらしい。
チカゴロじゃあ前々日の23日を「イブイブ」とか呼ぶらしい。
あ〜ん?
つーことは。
本日は12月の2日であるから
「クリスマスイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブ
 イブイブイブイブイブイブイブイブイブイブ」と
御呼びすればよろしいのでしょうか?
オホホホホホ。

貴様らの腐った言語感覚をたたきつぶしてくれるわ。
へーこいてぷぅじゃ。トンカチ。オタンコ。ナス。ヂングルベル。
もしも伝説のとおりに我々が「アダムとイブの子孫」であるなら
結局のところ「人類みな兄弟は近親相姦」つーことでいいな。
いいな。

ということは明日は12/3(日曜)だから
「クリスマスイブイブイブイブイブイブイブイブイブ
 イブイブイブイブイブイブイブイブイブイブ」と
息継ぎせずに微笑みながら口ずさめばよろしゅうございますか?

バイザウェイ。
閑話休題。

今年のクリスマスプレゼントに。
ちょっと待った。これじゃいかんのだよな。
「クリプレ」だったな。「プリクラ」とか「テレクラ」に近親相姦だな。
若輩共の神をも恐れぬそのなまったるい言語感覚にとどめを刺すしかないようだな。
なにが「涙の数だけ強くなれる」じゃ。
数えたんか?粒をさ。10個千個万個?リットル?デシリットル?ミリリットル?
どこがどんな風に強くなれんだ?あ〜ん?
腕相撲か。博打か。格闘ゲームか。ジャンケンか。
そもそも「泣くようなハメ」にオレ様の場合は陥りたくないなあ。

オマエらがなまったるいから話が横道に歩いていってしまったではないか。
ナス。トンカチ。クリス。リスク。クスリ。オタンコ。
カオル様が今年欲しいクリスマスプレゼントを列記しようと想っていたのに。

する。

1 発泡スチロールの板(30cm×40cmがベストサイズ。厚いほどグッド!)
2 1000万円以上チャージされたスイカ。(パスネットも可!)
3 マタタビ。(粉末)
4 七つ道具。
5 てろ〜んとした丈の長いペイズリー柄のシャツ。(女物可。かたいシルエット不可)
6 エロ鉛筆。
7 結婚式場。(グランドピアノ付きな。ロザリオを唄うんだ)
8 小判。(レインの反応を見る。「ウワサ通り」なら即換金)
9 タバコ。

オマエら達のみなさまは各自御相談の上12/22のベルズに持ってくればです!

つーことは「クリスマス12/25(本番)」の翌日の12/26は
「クリスマスイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブイブ」と一息で言ったならば御勘弁願いますでしょうか?

天罰ならとっくのとーに覚悟の上でございます。
この「イブ連打」から「書き始める」つもりだったのですが
特に携帯サイトの人の親指などを御自愛したつもりでいらっしゃいますの。
「バグ?ウイルス?」などとびっくらこかせよーと想ったのですがね。

みなさま「3Dアート」みたいの知ってます?
「絵が浮き出てくるヤツ」です。
あれと同じやり方で上記の「イブ連打画面」をみてください。
マジで飛び出てきます。パソコンじゃないと厳しいかもしれませんが。
試してみてください。
焦点を一回わざとぼかしてから見るんですよ。
ちなみにコレは「3Dアートの本」じゃなくても出来ます。
普通の文庫本で。やり方は一緒です。

それでは。
また毎週。
 

詩人と朝 2006年12月09日(土)

  2006 12/2(sat) 14:40pm
やわらかな天気だ。


この時間になると「くつろぐのにちょうど良い場所」に太陽が差し込んでくる。
古本屋の2階。陽だまりの中で本を読んでいた。
片手に文庫本を持ちくわえタバコで。
もうひとつの手はレインを撫で回しながら。
オレは「手が二本ある」だけで充分幸せだなあと感じる。
指もちゃんと10本ある。多くも少なくもなくちょうどいい。

オレの起床時間は気紛れだ。
7時ぐらいに起きるときもあれば夕方近くまで寝ている事も。
愛猫黒猫レインは7時の「飯くれニャーニャー」をのぞけば
オレが「完全に起きて窓を開ける」まで静かに待っている。
8時頃布団から立ち上がり「レイン。おしっこしてくる」という時はじっとしている。
しかしあぐらをかいてタバコを吸い始めたりすると「窓を開けてよ」と鳴く。
オレが「また寝るのか・本当に目覚めて活動開始」なのかレインにはわかるようだ。
とにかくオレは何時であろうが「起きた時間が朝」なんだ。

窓を開ける。
晴れていてもどしゃ降りの日でも。
晴れば日溜まりが出来る。
レインは「太陽の移動」ともに「寝場所」を1時間おきに変える。
オレは今日のように本を読んだりパソコンをしたり
散歩に出かけたり気紛れにやってる。

今日読んでいた本は「日溜まりには似合わないタイトル」の本だ。
阿佐田徹也の「ドサ健ばくち地獄」上下2巻。
10代後半の頃から大好きな小説で主人公の「ドサ健」は憧れでもあった。
阿佐田徹也は「麻雀放浪記」で(コレも素晴らしい。映画化されてる。劇場公開へ行った)
直木賞(か別の賞)をとり受賞のインタビューで「色川武大くんに賞をあげたかった」と言った。
「色川武大」というのは阿佐田さんの本名で
その名では「普通の小説」を書いていたがあまり「ヒット」は打てなかった。
ペンネームの方が売れていた。小説家としても麻雀打ちとしても。
「阿佐田徹也」のペンネームで「ギャンブル小説」を書いていた。
ちなみにペンネームは「朝だ。徹夜」のもじりである。

オレは高校卒業間際から麻雀屋に出入りし彼の存在を知った。
野球界でに例えるならば「長島」のような存在で実際に麻雀も強かったらしいが
その「一投一打を記録した牌譜」を見ると非常にロマンティックでセンスがいい。
「打筋」をマネしてみたけど「ガキの一夜漬け」じゃ当然こてんぱんにやっつけられたよ。

その麻雀屋でバイトを始めた。日給が1982年代頃で1万円だった。
麻雀は4人いなきゃ出来ない。客が3人の時はオレが打つ。待たせちゃダメだから。
掛け金やゲーム代はもちろん自腹。勝っても負けても自分の負担だ。
「1ゲームでビリなら最低1万円。裏ドラ1枚千円」みたいな高額のレートだったから
日給1万なんて「マスターからのサービス」みたいなもんだ。
3人のお客を相手に打つ。勝てば「儲け」だから必死になる。
でもそんな高額の店に来る「猛者」相手に「トップ」はカオルの雀力じゃ厳しかった。
たいていは「ビリ」だ。1万とられる。「今度こそは」と想う。
しかしそんな時に限って客がくるんだ。カオルは交代。バイト少年に戻る。
朝までコーヒーを入れたり夜食を用意したり灰皿掃除したり
ヤクザの「使い」に行かされたり負けた夜はタダ働きだ。
でも「裏の世界」や「ルール・しきたり」やいろんな事を覚えたよ。
「いろんな事」をな。善も悪も価値観もな。
そして「善悪価値観」は「場所によっては通用しないし逆転してしまう」というコトを。

オレは負けると悔しいからラジカセで「TENSAW」とかロックを爆音でかける。
ヤクザの親分に叱られる。「カオル。そのガチャガチャしたの止めろ」
オレはボリュームを下げる。「カオル。オレは止めろと言ったんだ」
付き人の入れ墨子分がオレをにらみ立ち上がろうとする。親分は制止する。
笑いながら言う。「カオル。バンドなんか儲からないぞ。オレの組入れよ」
「嫌です。けんか弱いし。軟派のロック好きだから。根性ないし」
「そんなもんかんけーねーよ。あとからついてくんだよ。
 オマエは充分根性あるよ。音楽止めなかったじゃねーか」

親分さん。音楽は止まらないし「止められない」のです。

その親分さんは川崎のあまり大きな組ではないけれど有名な人だった。
勝った夜はオレたちを連れて「縄張りの店」に連れて行ってもらった。
焼き肉もトルコ風呂もキャバレーもおごってもらった。
川崎の「セメント通りの朝鮮人街」の焼き肉はべらぼうにうまかった。

マスターは麻雀がとても強かった。負けたところを見た事がない。
オレは鍛えられた。スパルタだった。いかさま(インチキ技)も教わった。
「マスター。オレいかさまで勝ちたくないから覚えなくていいです」
「バカ。勝つためじゃねーよ。やられないためだ。見抜けるようにすんだよ」
真剣にやった。どんどん強くなっていくのが自分でもわかった。楽しかった。
でもどうしても「マスタークラス」には最終的に勝てない。
マスターに質問した。「これ以上強くなるには経験しかないんですか?」と。
「オマエは確かに強くなったしバイト代以上稼ぐ月も増えた。
 それ以上強くなりたいのか。じゃ『コレだけ』をする事だな。
 『麻雀が楽しい』というのは『素人』なんだ。仕事だ。それがプロだ」と。

オレは悩み考え結局麻雀屋を辞めた。
マスターの「お言葉」の「麻雀・コレだけ」を「音楽」と置き換えたら答えはすぐ出た。
カオルが人生史上最も歌舞いてた「BURN」という高校生バンドを20歳頃に解散し
次の「whoswho」を始めるまでの「空白の2年間」は博打三昧の日々だったんだ。

今日は朝起きて「青山二郎の眼の哲学」という本を読んでいた。
そしたら「闘鶏・軍鶏」の話が出てきた。
シャモという「喧嘩っ早い鳥」を一対一で戦わせてどっちが勝つか「賭ける」博打がある。
オレは観た事ないけど田舎の方ではいまでもやってるかもしれない。
それを読んでたらなぜか「軍鶏→ドサ健→麻雀屋」を連想したんだ。
そんで「何も恐くなかった頃」を想いだし
「ああ。ウツとか言ってる場合じゃねーな。歌舞かねーとな。
 もうひと花咲かせたいしな。つーか『ずっとツボミ』じゃんかよ」と。
自らを戒めよ。

オレはチカゴロ「調子は悪くない」んだ。
でもどっかで非常に甘えている。
「こんな年齢でこんな不景気でこんな音楽事情の中でオレがんばってる方だよな」と。
ぬるいな。とてもなまったるいな。
それは「他人様から言っていただくコトバ」だよな。
「カオル君はがんばっておるな」と。
そしてさらには言い返さないと。「当然だろ。オマエは手を抜いているのか?」と。
はったりでもいい。「自分に言い聞かせる・言い続ける」だ。
「有言実行」だ。「不言・言わなきゃ」だとさ「やんなくてもわかんない」もんな。

オレは言い切ろう。
「オレ自身の最速で飄々と人生をもてあそびながら駆け抜ける」と。
カオルは「初代」だ。「先代」も「2代目」もいない。
オレはオレ。カオルはカオル。
カオルがカオル。

とりあえず。
「ビデオデッキの裏のホコリ」を掃除する事から始める。
経験者として述べるのであれば
離婚の原因の多くは「知らぬ間に積もったビデオデッキの裏のホコリのようなモノ」なのだ。

今朝。開け放した窓から差し込む太陽の中を舞う「ホコリのカタチ」が嫌だったし。


以上。
 

海賊詩人 2006年12月06日(水)

  2006 12/1(fri) 20:30pm
色の薄い夕焼けであった。


カオルは「自分のCD」をまず聴かない。
誰かの車や家で「カオルCD」が流れていたりすると
「他のにチェンジ」と注文する。
なんだか恥ずかしいのもあるけれど
「あ。ここやり直したい。あ。ここは別のコードの方が」とか想ってしまうから。

本日は「カオル海賊盤」を聴きながらコレを書いている。
マックタイガーで「いろいろ」を始めようと考えていて
「まずはCDの取り込みとファイルに変換の練習だ」と。

なぜかこのアルバムは「とても新鮮に素直に聴けた」んだ。
録音した時カオルは27歳か。いや28か。結婚前だっけ?15年ぐらい前だ。
奥様に買ってもらった「21世紀では遺跡」のような機材で。
「朝を呼ぶピエロ」と「オマエは空になれ」以外の曲は
すべて「1週間で作詞作曲」して2日間で録音した。
夏だったと想う。
カオルは「自分で染めた紫の短パン」をはいていた記憶があるから。

4トラックのMTR。アナログ。保存のハードは「カセットテープ」だ。
リズムボックスを録ってそれからムー太郎のベースとカオルのギターを同時に録る。
ふたりとも「楽器で両手がふさがってる」から足で「録音スイッチ」を押した。
楽しかった。なんの計算も打算もなかった。
「録ってどうするのか」なんて考えもしなかった。
ただ「いい曲がいっぱい出来たから録音しよーぜ」だった。
あ。やっぱり夏だよ。録ったのは。想いだした。
オレ「唄の録音」の時ボロアパートだったから「少しでも防音に」と
「冬の布団」かぶって汗まみれで唄ったんだ。

いまは「宝島〜黄金の国ジパング」が流れている。
冒頭の歌詞。バブル崩壊後の「不法難民問題」でジャパンが揺れてた頃だ。
バブルの時「安く使える外国人を大量投入」しバブルはじけりゃ「お払い箱」で。
「スイミングもワープロも車も英会話もそこらじゅうで生徒募集中」というフレーズ。
当時は「ワープロが全盛」だったんだな。
他にも「ティラミス・ファミコン・シンデレラコンプレックス」などある意味「死語」が並んでる。

確かに音は悪いなあ。でも「それがどうした」と想うな。
マイクなんか「とにかく安いヤツ」を使ってたけどな。2000円。
あ。オレもしかすると「2004発狂大掃除」の時に「マスターテープ」捨てたかも。
CD化するに際に「デジタル処理」をして聴きやすくはなったんだけれど
「カセットの荒いけど暖かいカンジ」というのはなくなってしまったな。
そうだ。「100本限定ライブ会場のみ販売」したんだ。それも持ってない可能性大。

「リトルバケイション」は元々タイトルが違ったんだけど忘れた。
この詩は気に入っているんだよ。なんか「ピチピチ新鮮」なカンジが。
「あー浮き浮きしてんなあ。歌舞いてんなあ」って雰囲気は「40過ぎる」と書けないな。

「ライオンとトランペット」の「タイトルの由来」って以前日記に書いたっけ?忘れた。
あのね。「北京の秋」という小説があるの。
でもその小説は「北京とも秋とも関係ない」の。だから「北京の秋」なんだとさ。
そんでタイトルに困ってたし「おもしれーな」と想ったからマネした。
「歌詞にはトランペットもライオンも関係ないから」って。
あとで「ラッパとライオン」の方が響きがいいと文筆家である小娘に言われたのだが
確かにそうだなあと想ったのだがなんとなくそのままにしてある。
曲の最初から「ショワシャワした音」が入ってるでしょ。
あれは「ギターの逆回転の音」なの。
アナログだから「マスターテープのA面とB面」逆にして録音したの。
ということは「唄や演奏が逆回転されてるのを聴きながら弾く」コトになるの。
それは経験した人じゃないとわからないだろうけど「逆回転の声」は気持ち悪いの。
短パンの「絞り染め」と一緒で「どんな風に染まるのか」は
「再度逆にして(通常の状態)聴くまでわからない」んだ。
もちろん気に入らなければやり直しはきく。
でも「デジタルじゃない」から「前のバージョンを念のため別名で保存」は出来ないの。
「前のを残すか上書きか」しかの選択肢しかない。
レコーディングスタジオにある「32トラック」とかなら可能だけど4トラックだから。
それに何度もやり直すとカセットテープだから物理的に「テープが伸びる」んだ。

「パンチイン」というテクニックがあってレコーディングでは当たり前のことなんだけど
「しくじった部分だけやり直す」ということが出来る。誰もがやってる。
でも「アナログ4トラック」だと「ノイズ」が入る場合も多い。
いまや「唄の音程」も直せるし「タイミングのずれ」も簡単にできる。
もちろんノイズもパソコンで「波形を見て削る」なんて楽勝。
コーラスの「ah~とかwoo~」なんかも一回唄えば「コピーアンドペースト」でオッケー。
オレは「アナログ」に慣れてしまって「過剰なデジタル処理」が嫌でさ。
というより「一発勝負。荷物は減らせ潔く」というカンジが好きなの。
「詩人は夜明けにガムを噛む」も「3回通して唄っていいのを選ぶ」だったし
「ペントハウス」のコーラスもエンジニアのチャッピーが
「カオルさん。ノドつぶすからコピペにしましょう」って言ってくれたのに
意地はって全部唄ったしな。
でも「誰ハロ」の時は基本的に調子が悪かったから「デジタル」のチカラも借りたよ。
悔いは残るけど「時間との戦い」だったし「過剰」じゃなかったから。
チャッピーはその辺の「カオルの心理」を理解してくれてたから任せたんだ。

そういえばオレがベルズ時代に「ハンマーズ」というバンドのレコーディングをした。
オレがディレクターだったんだけどヤツらには「パンチイン」という技を教えなかった。
間違えたら「全員最初からやり直し」にした。
だって「パンクバンド」だぜ。「ガーッと一気に」録らなきゃじゃんかな。
若くてヘタなんだから「気合いと若気の至りと勢いを録音」しかないだろ。
それがオレの「ディレクション(方向付け)」の方針だった。
音程が多少悪くてもリズムが早くなっていっても関係ない。「ガッツ」が聴こえれば。

時が過ぎてドラムのゲンキ君に(リトルキヨシとミニマムゲンキというバンドをやってる)
「ボス。ヒドいじゃないすか。なんでパンチイン教えてくんなかったんすか。
 オレずいぶん後に知らなくて恥じ掻きましたよ」
「掻いたか」
「はい。恥を」
「でもあん時それ覚えてたらダメになってたぞ。わかるだろ?」
「そうですけど」
「かき捨てだよ」
「は?」
「旅の恥はかき捨てだよ」
「旅に行ってるのは竜太ですよ。オレは寿町に住んでます」
「人生は旅だというコトバがある」
「誰の文句ですか?」
「オレだ」

お。「aifファイル変換」が終わったな。
しかしこの海賊盤はいい。
「もしも」とは言いたくないがもしも「たくさんの予算と立派なスタジオ」だったら
「音はいいが計算高いお行儀のいいアルバム」になってたと想う。

それにしても「海賊」というのにはロマンを感じる。
実際には「相当に血なまぐさい」んだろうけれど
船の先端でマントをひるがえす隻眼のジャック。
片腕は「昔の熾烈な戦い」で損傷し「?マークのような義手」がついている。
黒い眼帯もしている。きっと「港のオンナを助けた時のキズ」だ。
肩にはオウムがとまっている。話が出来るし「天気の変化」に敏感なんだ。
羅針盤とカンをたよりに宝を探して七つの海を彷徨うのだ。

どうして「会場内の不正録音・非公認」のCDなどを「海賊盤」と呼ぶのだろう?
ご存知の方はカオルbbsまで。
デジタル部隊の活躍で「迷惑メール撃退」したから読みやすいよ。

以前日記で(不確かな記憶)「デジタルでも詩は書けない」と発言したが(したかも?)
先日の「ダダ詩人」のようなモノならば出来るかもしれないと想った。
しかも「人のアタマじゃ想いもよらないコトバの組み合わせ」が。

そういう機能はマックタイガーに搭載されていないのだろうか。
「単語・短いフレーズ・助詞」を「ダダアプリケーション」に片っ端からぶち込み
シャッフルさせる。規則も覚えさせる。「ん」から始まるコトバはダメとかな。
そんで「5・5・9・8の文節で表示」と。
いいカンジのがあったらアレンジしてもいいしな。

「デジタルの旗をひるがえし海賊タイガーは黄金の島国を目指す
 パンチインという名のオウムは肩の上 ゲンキなロマンは紫の逆回転」

この日記を「アプリケーション『ダダ10.2』」にぶち込んだら上記のようなのが出来そうだ。

実は「上記の作業」を「アナログ」でやったコトがあるんだよ。
黒夢というバンドの人時君のアルバムに詩を書いた。10曲はあったろう。
プリントアウトされた歌詞のコピーが散乱している。
オレは「作詞家」という立場だったから「ここ唄いにくいから別のコトバない?」
という状況以外は「付き添い」みたいなカンジだった。
ヒマだからマネージャーの小栗君にハサミと糊を持って来させた。
「この歌詞カードのどれでもいいからお前の好きな単語とかチョキチョキ切れ」と。
オレも同様の作業をしひっくり返して「紙片」をかき混ぜ並べる。
表にひっくり返す。「迷宮で地下室の夢が吠えた」とか出来る。
気に入ったのをノリで白紙に貼っていく。コピーする。
「mixed up confusion」と名付け20行ぐらいの詩にした。
相当気に入っていたのだがそれも。
捨てたかもしれない。嗚呼。

もう後悔はしたくない。
海賊のように航海はしたいが。


おっしまい。
 

造花詩人 2006年12月04日(月)

  2006 11/26(sun) 17:00pm
この時間まで窓も開けずに横になって過ごしてた。本も読まず音楽も聴かず眠りもせず。


あらすじ。

カオルは精神科医から「アナタの様々なヒントになるのでは?」と
「青山二郎」なる人物を紹介された。
そっこーでカオルは隊員達に調査を指令した。
たくさんの情報が寄せられ「本・写真集」などプレゼントしてくれた人も。
泥縄式であるし「集中して」というほどではないが
知らぬ間にカオルはそれなりの「青山二郎」に対しての知識を得た。

そこで隊員達に「報告&お礼」をかねて文章を書こうと。
それは「審美眼・美学・ホンモノ・いきること・創作」などをテーマに
精神科医の「ヒント」なるモノも交えて書こうと。

とりかかってすぐにあきらめた。「放り出した」のとはちと違う。
あまりにも「書くべきこと」が多すぎてべらぼうに長くなりそうだし
またテーマ自体が「真摯に慎重にコトバを選ぶべき大切なモノ」なので
カオルは「現時点で一気に書き上げる体力はなし」と判断し「保留」にしたのである。
例えるなら「一台の車」を説明するのに「タイヤの特殊性」「塗装の技術」
「偶然に発見された新しいタイプのエンジン」などを書かねばならないように。

ある日カオルは女の子と都会のはしっこを歩いていた。
ショーウインドーにわりと大きな花が飾られていた。
女の子は無邪気に「わあ。綺麗ね」とはしゃいでたが
オレはそれが「造花」だとすぐに気がついたので「それ造花だぜ」と言った。
彼女は幾分不満そうに「そう」とステステと歩いていった。

オレは数十秒後「なんて愚かな発言をしちゃったのだろうか」と後悔した。
その花が「造花だろうがホンモノだろうが彼女にの目には綺麗」と映ったのだ。
それでいいじゃないか。無粋なオトコだ。

その花が「女の子には綺麗」だと感じた。ふむ。
そして「カオルには特別綺麗だとは感じなかった」だ。かまわない。
趣味の問題だ。
ただオレが自分で「愚劣」だと後悔したのは
「綺麗だと感じなかった理由」を「造花だから」と発言したことだ。
もっと言うなら「アナタは造花を綺麗というんですか?」という
僭越な「脅迫的固定観念」がオレの無意識化にあるのを発見したからだ。

オレは「先入観や既成概念」なんぞにとらわれずに生きていきたいと想ってるのに
これじゃあ「造花よりホンモノの方が素晴らしい」という「固定観念」じゃないかと。
それは「風景画」をみて「美しい景色だ」と感想を述べる人に
「それは絵だよ。ホンモノの方が美しいよ」と言ってるのと同じじゃないかと。
「ホンモノの景色」より「写真や絵」の方が美しい場合もあるのに。

まあ「青山二郎調査結果」を「書けない」と判断したのは
上記のような「ブレ」がまだまだオレには多いからだというのもある。

学ぶべきこと多すぎるぜ。

幾つか前のHP日記で「青山二郎とバタイユは似ている気がする。直感だが」と書いた。
これはある意味「正解」なのだがある意味「正反対」でもある。
ふたりとも「眼球・見る」ということに異常な関心を持っている。
ただ決定的に違うことがある。
青山二郎は「眼球そのものになれよ。目ん玉そのものになってじっくり見極めるんだ」と
常々発言していたのだがジョルジョバタイユは「見るという行為を否定せよ」と。
バタイユに関してはカオル研究中だしコレに関しても
「書き出したらすげー長くなる」ので「保留」だ。

まったく厄介なもんに手を出しちまったもんだ。

オレのトモダチには3人の天才がいる。
そのひとりは12/22ベルズでも共演するイタル君だ。
オレの2枚のCDジャケットを描いてくれているオトコ。
青山二郎を調べていて「イタルと天才ぶりが似ておるなあ」と感じた。
まだオレが酒を飲んでいた頃気紛れによくイタルとふたりで
「芸術的なこと・タマシイなど」についてとりとめもなく話したコトを懐かしく想う。

ちなみにオレは紛れもなく確実に「天才ではない」オトコである。
なぜならば。
昔々カオルは「ああ。天才になりたいなあ」と想ったことがあるからだ。
そしてそう想った瞬間に気がついた。
「天才になりたいと想った時点で天才ではない」ということに。
まあカオルは「造花」みたいなもんですわ。

「造花」のいいところを述べるなら「枯れない」ところか。

おしまい。
 

歌舞伎者詩人 2006年12月03日(日)

  2006 11/28(tue) 21:40pm
水道工事中の床下にいるみたいな雨の降り方だった。


チカゴロのカオルはロードーをしていない。
額に汗して働いていない。
だからどんどんとビンボーになっていく。
だから後輩のヒトタチよ。
オレを結婚式などに招待しないでくれ。
だから先輩のヒトタチよ。
オレを御葬式などに招待しないでくれ。

祝儀袋を買うカネにも窮している始末さ。
冠婚葬祭に限るが
唄ならおごるぜ。


タダじゃ唄わねーよ。
「クリスマスプライベートライブ(キス付き)」でもやるか。
でもオレ様のギャラは高いんだ。
そうだな。
オレ様の誕生石であるダイヤ(モンド)の「傷物」ぐらいの値打ちだ。

じゃあカオルはロードーもしないで日々なにをしているのだ?
2週間ほど前は「書きまくり・読みまくり」であったが
チカゴロは鬱でもないし寝てばっかでもないし。
イタズラに時は過ぎていくのだなあ。

つーか。
「風が吹かねーかな」と想ってる。
「歌舞きてーな」と歌舞伎者らしく想っている。
うたって舞うんだ。かぶくんだ。
カオルは歌舞伎者だからな。

なに?諸君は「歌舞伎者」を知らんのか?
しかたねーな。辞書を引く手間を省いてやろう。

歌舞伎者。
「華美を好み、軽薄・異様な風体をする者。うわついた好色者。伊達(だて)者」
ガハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。
どうだ?
オレ様にピッタリの形容詞だろ。
かぶきもの。

「プロのロマンティスト」は「食えない」から「プロ」じゃないし
「文系ロッカー」は「バンド」じゃないと本領発揮できないし
「チンピラ詩人」は「チンピラ」が放送禁止用語だし
これからは「歌舞伎者初代薫風丸」とでもしようか。

誰か「落款・ハンコ」つくってくれ。
オレは「彫刻刀で痛い目を見たことがある」んだ。不器用でな。
それにこんな画数の多い漢字を逆に彫るなど鏡を使用しても至難の業だ。
ペタペタ押してー。
真っ赤な朱肉でな。
そっこらじゅうな。
ところかまわずな。

あ。「サイン」をせがまれたらどうしよう?
すごく時間がかかる。
でも「ラーメン屋の漢字を崩したサイン色紙」みたいのは嫌だ。
演歌歌手やスポーツ選手のようでまるっきりダサイではないか。
なぜ「満腹飯店さん江」と「江」にするんだ?「へ」でいいだろ。
バカヤロめが。なってねーよ。歌舞いてねーぞ。
わかってるよ。「へ」は「おならぷう」だから「気取ってみた」んだろ。
江戸っ子の火消しにも「め組」はあっても「へ組」はないからな。

江戸っ子は「縁起かつぎコトバ」多いからな。
「イカのスルメ」は「する(博打で負ける)」から「アタリメ」だし
古い人は「梨の実」も「ありの実」っていうしさ。
ムカシ江戸のお友達の家にいったら「かかあ。トモダチ来たからアタリッパ出せ」って
「それってスリッパ?」とびっくらこいたコトあるんだからな。

「春夏冬升々九合」のような文言が居酒屋などに貼ってあることがある。
どのような意味であるか。
「秋がない」から「あきない・商い」にひっかけてる。
「九合」は「酒の一升瓶(18合)」の「半分」だから「半升(はんじょう)」と読む。
これも「繁盛」にひっかけてる。
続けて読むと「商いますます繁盛」というコトだ。
オレは長年の居酒屋通いでこの暗号を自分で解読したぜ。
歌舞いてたぜ。
おならぷうだぜ。

まあいいやビンボーでも。
そのうち風向きがちくと変わればオレも歌舞くさ。
「カネは天下の回りもの」っつーしな。
「天下」に「り(利)」をつけると「天下り」だな。
「カネは天下りの回しもの」か?

わけわかんなくなってきたぜ。
歌舞いてんのか?

なんだか正月に書き初めをしたくなった。
ガク(6歳)今年も習字やるぞ。
ガクはさ。一昨年おねーちゃん達が宿題で書き初めやってたの。
畳が汚れないように新聞紙敷いてさ。
ガクもやりたいんだけどまだ「字が書けなかった」んだよ。
半べそかいてるからさ。オレがガクに新聞のある場所を差して
「コレと同じように書いてみろ」と言ったら真剣にやったよ。
「できた!」「よし。見せろ。おお。上出来だ。そっこーママに自慢して来い」
ママが言う。「カオルこれ何?」「既成概念を捨てじっくり眺めてみろ。ガクの初作品だ」
「ん?...ハ....イラ..イ....ト?あ!ハイライトって書いてある!」
その作品は「縦書き」のカタカナで5文字が1行に収まらず
「ト」だけ「2行目」だった。
カオルはテレビ欄の「今週のハイライト」を「手本」にさせたのよ。
かなり歌舞いてた作品だと想う。

おお。もう23:16だ。
もう1時間以上も書いているのか。
睡眠薬をがぶ飲みせねばお医者様に叱られる。

明日は久しぶりに「練習」ではなく「曲作り」でスタジオにこもるのだよ。
スタジオ代はサークルサウンズのマスターに「ツケ」にする予定だ。
そんぐらいの「ツケ」はひと風吹いて歌舞いたら楽勝だぜ。

じゃあな。
達者で暮らせよ。
 

詩人の悩み 2006年12月01日(金)

  2006 11/22 (wed) 8:20am
窓を開けて布団を干した。晴れている。


あらすじ。

カオルは6月ぐらいのライブから「ライブ終了後の疲労」が激しい。
打ち上げなんぞ冗談じゃなく「はやく眠りたい」というカンジだ。
CDを買ってくれたお客さんに絵を書いたりスタッフと簡単な打ち合わせをしたり
お店の人と「次回・精算」などし「業務終了」のとたん猛烈に急激に疲れてくる。
「バイトなどの肉体労働」などとの疲れとは違う。
なんだか「脳そのもの」が「運動」したような疲れ方なのだ。
その状態に「ウツなカンジ」がプラスされると「ライブの開放感」などまったくなく
「コレになんの意味があるんだ」みたいな「虚無感」でいっぱいになり
誰ともクチをききたくなくなる。レインとは喋るけど。ちょっとだけは。

今月18日あざみ野のライブ後もそうでしかも頭痛もした。
オレは「頭痛」というのをほとんど体験したことがない。
翌日なんの前触れもなく「強烈な頭痛」に襲われた。「アタマが割れそうってコレか」。
あんまり痛いので「応急処置」としてアンメルツを頭皮にすり込んだ。
痛み止めをガブ飲みしてスースーして楽になったが
無論「根本的な解決」になったわけではない。

「40過ぎ男子の急な頭痛」はなめない方がいいらしいし
「頭痛+吐き気・しびれ・麻痺」などは「脳梗塞など」の危険もあるという。
普段から不摂生・不養生と喫煙野郎だから念のためと次の日朝から病院に行った。
大金を払って撮ったCTスキャンによれば「脳にはまったく異常なし」とのコト。
「睡眠障害によるストレスと慢性的疲労。座って書いてばっかの血行不良。
 それと『かなり脳みそ酷使』していますな。そのわりに食生活がブーです。
 栄養足りてない。ジャンクフード食い過ぎ。あと軽く風邪をひいていますね。熱が高い」と。
タバコを辞めろと言われたらどうしようと思ったが
「タバコは基本的に健康にいいことはありません。
 しかし現状脳は健康なので『辞めるストレス』の方が恐い」と言われ安心。

とにかくうまく眠れないのである。
例えば急激な頭痛があった日は3時間ぐらいしか眠れなかった。
前日のライブ後も3時間ぐらい途切れ途切れにうつらうつらしただけ。
翌日ほとんど徹夜状態で病院へ。昼寝をしたら夜また眠れなくなると想い我慢。
21時過ぎに睡眠薬を6種類7錠飲むが23時に起きてしまう。パンを食べまた寝る。
しかし1時頃にまた目が醒める。タバコを吸ってなんとか寝るが
また3時頃起きてしまいそのまま朝。
そんでまた同じ繰り返し。

「普段カラダ使ってないからだ」と肉体労働しても必ず夜中に数回目を醒ます。
逆に「カラダが興奮しているカンジ」で寝付くのに非常に時間がかかる。クタクタなのに。
そんな状態で働くから3日連続が限度で翌日(その次の日も)は1日中うたた寝している。
その時は「わりとよく眠れる」のだが当たり前というか「デタラメで不規則な生活」だ。
それに「働いた日」はなぜか「創作」があまりできないのだ。

タクシー運転手や夜勤のある看護婦さんなどはどうバランスをとっているのか。
「創作する人」の中には「24時間起きていて12時間眠る」というサイクルの人もいるらしい。

オレに必要なのは「規則的な生活と食事と適度な運動」だとわかっているのだが
長年の「不規則暮らし」が五臓六腑に染み渡っておりなかなかうまく出来ない。
食事も「立ち食いそばと甘いパン」がメインだしな。
起きている時間が長ければその分タバコも吸うしな。

ちなみにオレは敷き布団と枕は「わりと高級品」を使っている。
効果はよくわからない。

20代後半は「深夜の掃除屋」でバイトしていた。
離婚直後は「ヒモだったから倍働かねーと」と昼夜のバイト。そんでライブ。
30代になるとそれプラス「作詞などの〆切」で「生活のリズム」などなかった。
ライブハウスで働いてた頃はさらに「デタラメ」でそれに加え「暴飲」が始まった。
そこを辞め酒も辞め専門学校で働きだした頃は「スロット屋に朝から並ぶ」もあり
なんとなく朝型になったのだがなんとなく現在に至る。

ある人に言わせれば「眠れなければ寝なければいい。いつか眠れるよ」と。
確かにそうかもしれないがオレに言わせればその意見は
拒食症の人に「食えなければ食わなきゃいい。いつか腹減るよ」とおなじで
その「いつか」が来る前に「ちょっとした緊急事態」になるかもしれないと。

とにかくオレは「途切れずに7時間眠る」のが夢だ。憧れだ。
朝起きて「ふあ〜。よく寝た」と伸びをしながら朝陽を浴びるのが夢だ。
数年前千葉のライブのあとホテルに泊まり飯を食った。
そしたら急激に「眠くなり(これもオレの憧れ。眠くなる!)」クスリも飲まずに
5時間ぐらい寝た。ふと起きてすぐクスリを飲んでまた8時間ぐらい連続で寝た。
その翌朝の爽快感「生まれ変わったカンジ・エネルギー充填されたカンジ」というのは
本当に素晴らしかった。カオルの中では「語りぐさ」になっている。

まあなんとか方法を医者と相談して考えてみるが
手っ取り早いのは銀行強盗でもして捕まって
「刑務所で強制的な規則正しい生活を10年」とかだろう。
うまくいったら「儲け物」だしな。
しかし「ライブ」も「HP」もできなくなるか。

永久に眠っちまうか。
ダメ?
だよな。

じゃあ。散歩してくるから。
 


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