|
2006 5/30 (tue) 16:00pm 蒸し暑いけれどほどよい風が吹いている。
窓を開けた。 部屋に沈殿していた空気が待ちかねたように いっせいに外へ飛びだしていった。 レインも「光の当たる場所」に来てゴロンと。
オレの部屋は日当たりがよすぎて暑い。 外の方が涼しそうだったので散歩に行くことにした。 短パン・タバコの焦げ跡のあるTシャツ。 アタマにタオルを巻いてサンダルを履いて。 450円とタバコをポケットに入れた。
リサイクルショップの有線から懐かしい唄が流れていた。 オオサワヨシユキさんの「そしてボクは途方に暮れる」だ。 いい歌詞だ。銀色夏生さんだったかな。80年代前半だ。 「接続詞」ではじまるタイトルなんて他には知らない。 でも聴いているうちに記憶違いかもしれないけれど「声が違う」気がしてきた。 最近は「昔流行った唄」のカバーが多いから。
花屋の前で花にみとれてしまった。 「花」というモノはこんなにビューティフルなモノだったのか。 オレは健気なカンジの花より派手なヤツの方が好きだ。 上品な蛍光色のようなゼラニウム。 夕焼けを絞った滴でこしらえたようなオレンジのガーベラ。 ゼラニウムは260円。ガーベラは750円。 「胡蝶蘭」というのは15000円もする。 黒ネコレインは0円。アメリカンショートヘアーは9万円。
店内に入ってみた。ひんやりとして静かで心地が良い。 「花屋のオンナ」とフラチな御関係になれないものだろうか。 客の少ない時間帯に「準備中」の札を下げ 2階で窓を開けたまま激しく短く抱き合うのだ。 終ったあとオンナは髪を直しながら店を開ける。 オレはのんびり一服したあとアイスティーなんぞをつくり涼みに階下に降りる。 「ほれ。ノド渇いたろ。アールグレイだ」 「ありがと。ねえ。お願いだからなんか着て来てくれない?」
ふむ。「花屋のヒモ」に相応しい「なんか着るもの」とは。 やはり花の鮮やかさを引き立たせるようなものがいいのだろうか。 オレに店番はできるのだろうか。それぐらいはお手伝いしないと。 でもオレは花のことは何も知らない。 「プレゼント用に包んで」とか言われたら2時間ぐらいかかってしまうだろうし。 花言葉でも覚えるか。
2/26 カランコエ 花言葉「アナタを守る」とか。
つーかだな。 そろそろ「ヒモ」という発想をやめろよカオル君。 42歳といったら普通はマンションを買い お子様を有名学校に入れるために沢山お金を稼ぐ歳だぞ。
それにしても花屋は涼しかった。 そしてとても静かだった。 花が呼吸する清潔な音が聞えるほどに。
260円のガーベラを買おうと思ったが 育てる自信がないので350円のラーメンを食べて家路についた。
おしまい。 |
|
|