カオルの不定期日記



カオルに効くクスリ 2004年07月09日(金)

  2004 7/9(fri) 23:00pm 今日もとても暑い。今年の夏は死の予感さえする。


7月の6日・7日と穴掘りのバイトにいった。
水道の配管屋といっても水遊びが出来る訳ではない。
 
まずフローリングの床を剥がす。
オレには重くてマシーンが扱えないので
ひたすら木の屑を拾ってゴミ袋に詰める。
マンションの2部屋と廊下を全部剥がし終ると休憩。
職人さん達の与太話にニヤニヤしながらタバコを吸う。
「おいボーカル。オマエはゴルフするのか?」
「しないっすネー。ゲームのだけっす。」
後輩喋りでオレは答える。
「ゲームか。あれは肺を悪くするぞ。」
意味がよくわからないけど適当に頷く。
職人さん達のジョークは鬱病にじんわりと効く。
 
剥出しになった厚さ20cmぐらいのコンクリートを
もっと強力なマシーンで職人さん達が砕いていく。
したっぱのオレはスコップをもって外のトラックの上で待機。
汗でびっしょりになったタンクトップがまとわりついて邪魔なので上半身ハダカになる。
炎天下。トラックの荷台の鉄板は目玉焼きが出来そうなくらい熱く焼けている。
運転席の屋根に親方のヒサカタが持ってきてくれた水筒とジュースを置く。
何もしなくても汗が吹き出てくる。荷台に垂れた汗が一瞬で乾いていく。
やがて砕かれたコンクリがベルトコンベアーでゴトゴトと運ばれてくる。
オレはそれを荷台の前の方からなるべくすき間なく積んでいく。
まずおっきいのを並べて間にちっこいのを入れて。
途切れたタイミングを見計らって水筒のお茶をがぶがぶ飲む。いくらでも飲める。
また作業に戻る。いつの間にか半分ぐらい荷台は埋まっている。
福生の基地に近い現場なので時折アメリカ軍用機が空を飛ぶ。
だんだんバカになってきてるオレはスコップを銃のように構え飛行機を撃つ。バーン。
ジュースを飲む。コンクリを運ぶ。適当に作ったバカのブルースを歌いながら。
「おれがむっかしーただのバカだったころーバカなことばっかやってたぜー」
気がつくと荷台はほぼ埋まっている。ひとりで積んだんだと思うとちょっといい気分。
ベルトコンベアーが止まる。荷台から降りる。日陰まで歩けずコンベアーの上でダウン。
昼間は軽口を叩いていた職人さん達も疲れ切って黙ってタバコを吸っている。
少しだけ涼しくなった風が砂ぼこりをあげて吹き抜けていく。
親方のヒサカタがやっと口を開く。
「もう4:30だ。掃除して今日はやめようぜ」
 
帰りはヒサカタのトラックで家まで送ってもらう。
エアコンとブルースのCDをガンガンにかけながら。
「近藤房之助って唄うめーな。」
「チャーってやっぱギターかっちょいいな。」
川沿いの道は夕焼けが綺麗。
 
明日はコンクリの下の土を1mぐらい掘るのです。
水道管が姿をあらわすまで。
でもオレは病院なので休みます。すいません。
そして医者に鬱病には炎天下の穴掘りがよいと報告するのです。
 


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