カオルの不定期日記



四月に見る新しい夢 2003年03月31日(月)

  2003 3/31 (mon) 8:45 am  今日はいい天気になりそうだ。


朝の街を歩くのは久し振りだ。
駅へむかう人の吐く息も髪形も
化粧も新聞もまだ新しい。
オレは何となくきまり悪いから
帽子を深くかぶる。グイ。
 
オレのスピードはどうやら遅いらしい。
真夜中のルールはもう通用しない。
 
巣に帰りそこねたオマエが悪いんだ。
仕方ない。
喫煙所でくすんだ男達とタバコを吸う。
足下にはチューインガムの死骸と
潰された時間が転がっている。
 
オレは大きなアクビをひとつ。
つられて部長もアクビをひとつ。
 
向かいのプラットホームには人があふれている。
あの混雑ぶりはいったいどうしたことだ。
人間の尊厳など微塵もない。
あれじゃあまるで荷物じゃないか。
空港のボストンバッグの方が
まだ丁寧に扱ってもらえてるぜ。
 
急行が来たが見送った。
座っていけるヤツに乗るんだ。
冗談じゃねえよ。
こんなこと毎日してたら
絶対どっかおかしくなる。
人に言えない変な趣味を持つようになる。
 
電車の中で見る夢って
布団で見る夢となんか手触りが違うよな。
 

みんなの"6年"は? 2003年03月28日(金)

  2003 3/28(fri) 15:40 pm  こんなおだやかな春の日にも争う人がいるらしい。


ちょうど6年前にそりたというネコが死んだ。
今日のように暖かいおだやかな日だった。
あの頃は酒ばっかり飲んでいたので
その日もビールを飲みながら穴を掘った。
何か音楽があった方がいいだろうと思って
レオンラッセルのベストを流した。
 
小さなシャベルで膝ぐらいの深さの穴を掘った。
タオルにくるんでそりたを埋めると
ちょうどそりたの分だけ土が残った。
 
あれから6年。オレはもう酒を飲んでいないし
ネコを埋めた場所には洒落たマンションが建っている。
6年の間オレは約8万本のタバコを吸い
1度鼓膜を破き数えきれない嘘をついた。
いつの間にかネコは6匹に増え
最近ザ・ジゴロというバンドを組んだ。
そして今日もレオンラッセルを聴いている。
 
忘れられないことは忘れちゃいけないこと。
以前そんな詩を書いたことがある。
 
さて6年後オレは何をしているのだろう。
60匹のネコと暮らしているのかもしれないし
ザ・ヘドロというパンクバンドを組み
モヒカン頭で日々シャウトしているのかもしれない。
海賊になっているかもしれないし
花屋でレジを打っているのかもしれない。
すごい記録を作りギネスブックにのったり
すでにこの世にはいないのかもしれない。
大体地球は回り続けているのだろうか。
可能性は僅かだけれど否定はできない。
 
とにかく6年後まで戦争が長引いてないことを祈る。
 

カオル わ カオル 2003年03月25日(火)

  2003 3/25(tue) 2:30 am  そんなに寒くなくなってきた。いいぞ。その調子。


起きてからずっとぼんやりしてます。
やるべきことは山盛りなんだけど
なんだか気がのらないのです。
ただ生きているという感じです。
 
昼過ぎに米を買いにいきました。
近所の酒屋兼米屋で買いました。
その店はおじいさんとおばあさんやってます。
店内にはいろんな手書きの張り紙がしてあって
平仮名の「は」が全部「わ」になってます。
例えばこんなかんじ。
「お酒や発ぽう酒を飲んだら運転わいけませんネ。」
 
たくさんの車が走っています。
それぞれの場所へむかってそれぞれのスピードで。
誰も乗せていないバスが退屈そうに走っています。
もしボクが運転手ならタバコを吸ってしまうだろうな。
ラジカセを持ってたらたぶんツェッペリンをかける。
 
家に帰って米を炊きました。
ボクは固めのご飯が好きなので
いつも水を少なくします。
洗い物はあまり好きじゃない。
すぐに服が濡れちゃうから。
 
その後2時間ぐらい昼寝しました。
ネコ達といっしょに丸くなって。
途中で寝場所のことで
ちびたとしおがケンカをしたので注意しました。
「おまえらうるさい。眠れねーだろ。」
もちろん人間の言葉で注意しました。
ボクにはネコの言葉が喋れないのです。
 

贅沢すぎる望み 2003年03月20日(木)

  2003 3/20(thu) 5:50am   だんだん明るくなってきた。世界はまだ静かだ。


デビットリンチの「ロストハイウエイ」を観た。
独特の不条理感覚。異形の人々。いびつな愛。
音楽もよい。全然スカッとしないけどいい映画だ。
ヘコんでいる時には観ないほうがいいぞ。
勇気とか元気と対極にある映画だから。
ちなみにオレはツインピークスが大好きで3回は観ている。
 
このタイプの映画を観ていると
オレの心に住む魔物がいつの間にか隣に来ている。
何の会話もないし基本的に敵なのだが
なんだか奇妙な連帯感は確かにある。
 
最近後悔するのが嫌であまり冒険はしない。
本も映画も音楽もゲームも古いものばかり。
それでも新しい発見がかなりある。
よい作品とはそういうものなんだろう。
 
本屋やレンタルビデオ屋に行くといつも思う。
「生きている間にこれ全部見れねーんだな」と。
Life is very short.
ビートルズの唄にあったな。
 
どうせ限りある命だ。
贅沢に生きてやる。
素敵なものだけに触れていたい。
砂糖入りのコーヒーは飲みたくない。
くだらないもの・想像力と懐疑のない連中と
これ以上かかわりたくない。
 
例えばそのひとつが戦争。
 
誰もが必ず死ぬ。
生まれ変わりや来世があるにせよ
絶対に一度は死ぬ。
贅沢すぎる望みかもしれないがオレは傲慢な爆弾では死にたくない。
 

自分がキズつかないため 2003年03月17日(月)

  2003 3/17(sun) 3:42 am  今日も雨が降っている。でもそんなに寒くないよ。


少し髪を切ろうかなと考えている。
自分で切るようになってもう15年近い。
じっとしているのが嫌いで
美容院には行かなくなった。
話しかけられるのも嫌い。
「お兄さんバンド?BOOWY好き?売れたらサインしてね。」
 
ギターを弾くのに邪魔になるのが目安。
横にジョキッと5cm くらい切って
そんで縦にジャキジャキジャキッといく。
左右が揃わないときもあるが
そんなに気にしない。
 
ツメはしょっちゅう切っている。
伸びてくると落ち着かない。
高性能の爪切りが欲しい。
 
ライブがないときはあまりヒゲを剃らない。
でも無精ヒゲが似合うわけでもない。
 
最近かなりバランスを崩していた。
音楽は聞こえているのだが
踊り方を忘れたピエロのように
ステップがバラバラだった。
 
自分がキズつかないために
他人をキズつけてしまう。
思い上がった優しさなんて大嫌いなはずなのに
コミュニケイションの付属品として
必要以上にばらまいてしまう。
 
明日は晴れますように。
もしまた雨だったら
あさってこそ晴れますように。
それがダメでもいつかはきっと晴れるよな。
 

人類史上最も原始的な対処法 2003年03月07日(金)

  2003 3/7(fri) 1:45 am  雨が続く。一雨ごとに暖かくなるらしい。


もしもこのまま20年ぐらい雨が降り続いたら
世界はどうなってしまうのだろう。
生態系や価値観もきっと変わるはずだ。
少なくとも洗濯物は干せないし
ピクニックは相当つまらないものになる。
 
霧雨だったし傘が嫌いだから
今日の打ち合わせも傘を持たずに出かけた。
どしゃ降りにならないことを
ひたすら祈る。
人類史上最も原始的な対処法だ。
 
風邪は治ったのに鼻水がでる。
しかし花粉症ではないはずだ。
オレは小学生の時アトピーと花粉症だった。
どちらも当時は珍しく
周りからも理解されずちょっとつらかった。
色々な方法を試したのだが効果はなかった。
それが21歳ぐらいの時突然治った。
理由はわからない。
それ以来まったく症状は出ない。
 
祈りが届いたのだろうか。
 
4,5日前冷蔵庫にあったビールを捨てた。
正月に友達がおいていったもので
別に気にはならなかったのだが何となく捨てた。
 
オレの心には深く暗い穴倉がある。
そこにはとても悪い魔物が住んでいる。
今は板を打ち付けて塞いであるが
時々奥の方から声が聞こえてくるのだ。
 
とりあえず今夜も天使をかき集めて祈るしかない。
 

進化しすぎた蛍 2003年03月04日(火)

  2003 3/4(tue) 3:05 am  今夜も風が強い。雨戸がガタガタ鳴っている。


タバコを買いにコンビニまで。
みんなもう寝ているのだろう。
アパートも一軒家も工場も
灯は消えひっそりとしている。
 
途中でギターをかついだ少年とすれ違う。
よう。調子はどうだい。いいフレーズは弾けたかい。
オレは明日シモキタで唄うんだよ。
声には出さずに胸の奥でつぶやいてみる。
 
風がとても強いので空には雲が少ない。
いつもより星の数が多い気がする。
帽子をポケットにねじ込む。
洗ったばかりの髪を乾かしてしまおう。
何だかそれはとても健全な行為に思えてくる。
 
ボクハ ユウベ ハシノウエデ カゼニフカレテ
ヌレタカミヲ スッカリ カワカシマシタ
 
コンビニエンスストアの灯は
誘蛾灯のムードで輝いている。
店内は弁当と現実の匂いでいっぱいだ。
白い無防備なセーターを着た少女がパンを選んでいる。
赤ら顔のサラリーマンは携帯をチェックしながら
カップラーメンを片っ端からカゴに入れている。
クリアはなかったのでグレープフルーツジュース。
そしてピースを4箱。眠そうなレジ係は
アクビをかみ殺しながら金額を告げる。
 
ポケットのコインがぶつかるリズムで橋を渡る。
川は真夜中のスピードで海の方へ流れていく。
坂の途中でタバコに火をつける。
オレは進化しすぎた蛍のようだ。光ることは光るんですけど。
お月様にむかって煙を吐き出す。
今夜この街に足りないのは川を下る小さなボートだ。
 

かまうもんか! 2003年03月01日(土)

  2003 3/1(sat) 15:40 pm  とても静かな雨が降っている。


風邪はやっと直ったみたいだ。
身体が軽くなっているのがわかる。
深海魚のようにとても静かに眠れたからな。
その辺で手に入るまがい物じゃなくて
これぞ本場だ的な正真正銘の眠り。
 
雨が降っている。
それが何だか心地よい。
太陽に急かされずにすむ。
今日は雨だから仕方ないやってな。
オレは青森のデリケートなリンゴのように
天候に左右されやすいのだ。
 
あと13ヶ月でオレは40歳になる。
どう考えても後半戦に突入だ。
前半はあまり出番がなかったので
少し無理をしてでも点を取りに行く。
すでに傷だらけだ。かまうもんか。
体力も技術も負けているがオレには悪知恵がある。
点差はずいぶん開いてしまった。
時間は限られているしサポーターも少ない。
でもこのまま終るわけにはいかない。
やつらのやり口を許すことになってしまう。
 
がんばれサンシャインレディオステーションズ。
 
ただいまハーフタイム。
綺麗な女の子のダンスを観ながら
作戦を立てているところ。
やらかしましょう。しでかしましょう。
やつらに一泡吹かせましょう。
 
背番号は「69」がいいだろ。
ひっくり返ってもロックだ。
 


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